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和梨と洋梨でシャリシャリ感が違う理由 それぞれの栄養や保存法を栄養士が解説

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:和漢 歩実

みずみずしい梨(写真はイメージ)【写真:写真AC】
みずみずしい梨(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 シャリシャリとした独特の食感と甘い果汁がおいしい梨。日本の秋を代表する果物の一つです。一般的に日本での梨は和梨を指しますが、秋になると洋梨も店頭に出回ります。栄養や旬など違いはあるのでしょうか。栄養士の和漢歩実さんにお話を伺いました。

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梨は大まかに「和洋中」の3種類 和梨は赤と青

 日本で梨と呼ばれているのは、リンゴのような丸い形の「日本(和)梨」。ひょうたんのような形をした西洋系の梨は「洋梨」です。また日本ではあまり流通していませんが、形は洋梨に近く、食感と味が和梨に近い「中国梨」もあり、和洋中の3つが揃っていることになります。

 梨と日本人のつながりは古く、弥生時代の遺跡から種子が発見されています。本格的な栽培が始まったのは江戸時代の頃。甘くておいしい“水菓子”として100を超える品種が栽培されました。ご当地梨もあったそうですが、栽培されている現在の品種は限られています。

 和梨の種類は、皮の色によって「赤(梨)」と「青(梨)」があります。まず夏に赤梨の「幸水」が出回ってから「豊水」が続き、秋の梨シーズン到来です。青梨の代表品種には「二十世紀」があり、赤梨と比べて酸味があり甘酸っぱいという特徴があります。

和梨と洋梨 出回る時期や食感

和梨(左)と洋梨(写真はイメージ)【写真:写真AC】
和梨(左)と洋梨(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 日本における洋梨は、明治時代の初期に全国で栽培されるようになりました。主な生産地は山形県で、新潟県や青森県、長野県などでも作られています。品種も「ラ・フランス」や「ル・レクチェ」、「マルゲリット・マリーラ」などさまざま。品種によって違いはありますが、今の季節に出回る一般的な和梨と洋梨を比較してみましょう。

○出回る時期
和梨:早いと7月頃から11月頃まで
洋梨:和梨よりもやや遅く、9月頃から12月頃まで

○形状
和梨:リンゴのような形
洋梨:ひょうたんのような形

○食感
和梨:シャリシャリ(シャリシャリ感を生む石細胞が果肉部分に多い。石細胞は食物繊維などが蓄積したもの)
洋梨:やわらかくねっとり

○保存のコツ
和梨:キッチンペーパーに包んでからポリ袋などに入れて乾燥を防ぎましょう。冷蔵庫に入れるなら野菜室で。ヘタを下に向けて保存することがポイントです。追熟がないため、できる限り早めに食べましょう。
洋梨:未熟なうちに収穫するので、追熟する必要があります。キッチンペーパーに包んだり紙袋などに入れたりして、20度くらいの環境に置きましょう。すぐに食べない場合は、和梨と同様に乾燥を避けて冷蔵庫の野菜室で保管しても大丈夫です。

梨の種類には「赤」と「青」がある シャリシャリ食感の“正体”は意外な栄養素