からだ・美容
食べすぎた時にも 脂肪を溜め込まない体作りにおすすめな漢方薬の選び方 医師が解説
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教えてくれた人:佐藤 卓士
食欲の秋が到来。新米をはじめ食べ物がおいしい季節で、ついつい箸が進み食べすぎてしまうことも。食欲が増すと同時に体重も増加……となる前に、体形維持も心がけたいところです。過激なダイエットではなく健康的で太りにくい体を目指し、漢方を取り入れている人も増えているようです。そこで、気になっているけれど、正解がどうも分からないという健康や美容の疑問を医師が解説するこの連載。今回のテーマは「ダイエットと漢方」についてです。漢方とは何か、ダイエットに取り入れる時の注意点などを佐藤卓士医師に伺いました。
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体質そのものを改善し、症状を和らげるのが漢方薬
のどが痛い、鼻水が止まらない、胃がムカムカする。体調が悪く、特定の症状がある時に病院を受診すると薬を処方してもらいますが、その薬は主に人工的に化学合成されたもので西洋薬と呼ばれるものです。
多くは一つの成分でできていて、一つの疾患、症状に対して一つの薬を投与するのが一般的です。効果が強く、短期間で症状を改善するといった薬理作用を発揮します。
一方、漢方薬は植物や鉱物、動物など自然にあるものを加工した生薬を原則2つ以上組み合わせたものです。体の悪いところにスポットを当てて治すのではなく、体質を改善し、元々備わっている自然治癒力を引き出すことで症状を緩和するのが特徴です。
例えば、頭が重い、だるい、体が熱っぽいなどの「なんとなく不調」が長く続く不定愁訴、心身症など、検査や画像診断をしても異常がなく、原因が特定できないものに用いるケースが多いです。皮膚科でも、西洋薬で効果が現れない時に漢方薬を併用することがあります。
漢方薬は西洋薬に比べ副作用は少ないのですが、即効性はあまり期待できません。中にはすぐに効くものもありますが、体質そのものを改善していく薬なので時間がかかります。すぐに効果が出ないからと服用をやめてしまうのは、もったいないですよ。
ドラッグストアでも手軽に手に入るようになりましたが、医師の診断を受けた方がより適したものを処方してもらえます。保険適用の医療用漢方薬も多くありますので、ぜひ医師に相談してください。漢方を専門としている医師もいますが、基本的にどの医師でも処方できます。