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2度の心臓移植 生きることを諦めなかった女性が医者を目指す 米国で話題に
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日本で指定難病とされている「肥大型心筋症」。乳幼児の頃にこの病気と診断され、2度の心臓移植手術を乗り越えたという女性の物語が米国で話題を呼んでいます。女性の名前はジャンナ・パニアグアさん。幼くして心臓移植を受けたパニアグアさんは、その後2度目の心臓移植手術を受け、現在は自分と同じ境遇の人を助けるために医学部への進学を目指しています。
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生後14か月で心臓移植手術を経験
幼くして肥大型心筋症と診断されたジャンナ・パニアグアさんは、1992年に生後14か月で小児心臓移植を受けました。手術を行った「ニューヨーク長老派モルガン・スタンレー子ども病院」のウェブサイトによると、移植手術を受けるまでに90分間も心肺停止状態になったことがあったそう。そのため、移植の順番待ちリストで1番目になりましたが、それでも適合するドナーが現れるまで3か月待ったといいます。
その後のパニアグアさんは、米国における小児心臓移植手術後の最年長生存記録を更新する1人になりました。米紙「ニューヨーク・ポスト」によると、入学したピッツバーグ大学では医学部進学課程とアートを専攻。しかし、医療チームからはスタミナの問題などで医学部進学課程を諦めるよう説得され、大学2年で断念したそうです。
「ドクターにはなれないと思っていたので、アートが医療の世界に入る別の方法でした。患者さんたちは作品を通じてつながることができますし、健常者の人たちもそこから学ぶことができます」
そうして、大学時代に出会った切り絵のインスタレーションや塑像の制作に没頭。卒業後は若手アーティストとして活躍し、2014年には障害を持つ若者に向けた賞も受賞しました。受賞当時はウェブメディア「ネクスト・ピッツバーグ」に対して、「感情やフラストレーション、押しつぶされそうな不安感を伝える作品作りができて感謝している」とコメントしています。
しかし、アクシデントも待ち受けていました。慢性的な痛みを感じ始め、最終的には小児心臓移植後に起こる「リンパ増殖性疾患(PTLD)」が発覚。健康状態が悪化し、化学療法を受けることになったのです。「ニューヨーク・ポスト」紙によると、これが新たな夢に向かうきっかけに。それは、名門コロンビア大学に入学し、医者になるという目標でした。