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里芋の皮むきで手がかゆくなる理由 「ぬめり成分」は血糖値上昇をゆるやかにする効果も
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教えてくれた人:和漢 歩実
イモ類の中で特にカロリーが低くヘルシー
里芋といえば、独特のぬめりが特徴です。これはガラクタンという成分です。血糖値の上昇をゆるやかにし、血中コレステロール値、血圧値の調整に期待できるともいわれています。
炭水化物が主成分で、他のイモ類と比べると余分な水分や塩分を排出するといわれるカリウムを多く含みます。そのためむくみや高血圧が気になる人にも良いでしょう。エネルギーは水分が多いため、低めです。
日本食品標準成分表2020年版(八訂)を基に、里芋を長芋、ジャガイモ、サツマイモ(生、100グラム)の主な栄養価を比べてみましょう。
○水分
里芋:84.1グラム
長芋:82.6グラム
ジャガイモ:81.1グラム
サツマイモ:64.6グラム
○エネルギー
里芋:53キロカロリー
長芋:64キロカロリー
ジャガイモ:51キロカロリー
サツマイモ:127キロカロリー
○カリウム
里芋:640ミリグラム
長芋:430ミリグラム
ジャガイモ:420入りグラム
サツマイモ:380ミリグラム
里芋は食べると満足感もあるので、減量などの食事が気になる場合、積極的に取り入れたい食材と言えるでしょう。例えばいつもジャガイモで作るポテトサラダやポテトコロッケを里芋に変えても◎。グラタンやカレーの具にも合います。
触っていると手がかゆくなる原因は?
里芋を調理している際に手がかゆくなった経験がある人もいるでしょう。これは長芋などにも含まれるシュウ酸カルシウムが原因です。皮の近くに含まれていて、食べる時は影響しませんが、皮膚に触れると針のような形の結晶が皮膚を刺激し、かゆみが生じます。
熱や酸に弱いので、シュウ酸カルシウムによるかゆみを感じた時は、塩や酢をすりこんで洗うとかゆみはやわらぎます。また乾燥にも弱いため、里芋の皮を洗った後、しっかりと乾かしてから皮をむくと、ぬめりが出にくく手がかゆくならないといわれています。
(Hint-Pot編集部)
和漢 歩実(わかん・ゆみ)
栄養士、家庭科教諭、栄養薬膳士。公立高校の教諭として27年間、教壇に立つ。現在はフリーの立場で講師として食品学などを教える。現代栄養と古来の薬膳の知恵を取り入れた健やかな食生活を提唱。食を通して笑顔になる人を増やす活動に力を注いでいる。
ブログ:和漢歩実のおいしい栄養塾