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窓ガラスに生々しい衝突の跡…タワマンで予期せぬ「鳥害」 鳥嫌い女性の深すぎる嘆き

公開日:  /  更新日:

著者:和栗 恵

教えてくれた人:姉帯 裕樹

ハトやムクドリといった野鳥のフンも問題

 米国のコーネル大学鳥類学研究所が2019年に発表した調査結果によると、全米で年間5億羽以上の渡り鳥が高層ビルに衝突して命を落としているそうです。主に発生しているのは複数が立ち並ぶ高層ビル群で、照明により方向感覚を失うことが原因とされています。

 日本でもバードストライクは都市部を中心に発生しています。今回の多恵さんのように、タワマンの高層階でも鳥害は避けられないのでしょうか。「コレカライフ不動産」の姉帯さんは、日本でタワマンのバードストライクはまだ珍しい部類に入ると語ります。

「日本ではまだ珍しいこと。タワマン密集エリアでは、今後そうした被害が増えてくるかもしれませんが、大きく問題視するほどではないと思います。マンションの低層階はもちろん、高層階でも被害が多いのは、ハトやムクドリといった野鳥のフンです。

 ベランダにネットを張るなどの対策をした方がいいでしょう。ただしネットは落下すると危険なため、超高層マンションでは禁止されている場合があります。規約をしっかり確認してください」

 ちなみにハトやカラスなどのフンには、オウム病などさまざまな菌やウイルスが含まれていることがあります。また、フンで排水管が詰まり水漏れを起こす事例もあるため、ネットを設置できない場合でも何らかの対策が必要かもしれません。

「30~40階まで行けば、さすがに野鳥が巣を作る確率は減ると思いますが、10~20階程度ならハトなどが普通に飛んでくると思います。ネット以外にも、ハトの嫌いな臭いを放つ円盤状のゲルなどもあるので、いろいろ試してみると良いでしょう」

 人間が作る町と鳥たちの暮らす場所。都市部ではこれらを完全に切り離すことができません。バードストライクやフン問題などは、どちらかだけが一方的に悪いと言い切ることもできないでしょう。うまく共存できる社会を目指したいものですね。

(和栗 恵)

姉帯 裕樹(あねたい・ひろき)

「株式会社ジュネクス」代表取締役。宅地建物取引士の資格を持ち、不動産取り扱い経験は20年以上を数える。独立した現在は目黒区中目黒で不動産の賃貸、売買、管理を扱う「コレカライフ不動産」として営業中。趣味はおいしいラーメンの食べ歩き。