からだ・美容
再発リスクを極限までゼロへ 乳がんで右胸全摘した30代が抗がん剤治療を選んだわけ
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たった数%でも重みがあった
遺伝子検査では、今後の再発の可能性と、抗がん剤を使った場合に再発を下げる効果がどれだけあるかがパーセンテージで表されます。私の結果は、ほんの数%下がるというものでした。
そのたった数%のために、わざわざ正常な細胞にまでダメージを与えて、強い副作用の出る抗がん剤をする必要があるのか……。もし私が当事者ではない時に聞かれたら、きっと「やらない」と言ったと思います。でもいざ自分がなってみると、やはり気持ちは大きく違います。すでに自分が乳がん患者になった時点で、そもそも少ない可能性に当てはまっていたからです。
どんなに確率が少なくても、数%に自分が当てはまることはある。確率はあくまでも確率でしかないという現実を身をもって知ってしまった以上、「数%下げられる」だけでも重みがありました。できる限りリスクを減らしてゼロに近づけたい、そう思ったのです。
出るか分からない副作用の心配より、治す方に目を向けた
抗がん剤は副作用ばかりフォーカスされますが、当然ながらがん細胞をやっつけるという主作用があるから副作用があります。
出るか出ないか分からない副作用ばかりを考えて、本来働いてくれる作用や「私が何を一番望んでいるのか」を見失ってはいけないと思ったのです。それはやはり、できるだけ再発リスクを下げて治したいということでした。
タイミングに意味を感じた
遺伝子検査自体、ほんの数か月前まで自費だった検査です。もし自費であればやっていなかったし、未だ正式に保険適用にもなっていません。そんな検査を、タイミングや条件が合って受けることができたわけです。
やらなかったらホルモン療法のみだったのに、最後の最後でちょっとブレーキをかけてきた。そう考えると、何かタイミングを感じずにはいられませんでした。この検査がもしかしたら私を救ってくれようとしているのかもしれない……そんな風にも思いました。