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お米の計量にカップNGの理由とは 浸水は冷蔵庫で 五つ星お米マイスターの炊飯テク

公開日:  /  更新日:

著者:和栗 恵

冷蔵庫で浸水させることで、お米の中まで水を届ける

【4. 浸水】
 ごはんを炊く上でとぐのと同様に大切なのが浸水。浸水とこの後の炊飯の際に使う水は、硬度30~40ミリグラムパーリットルの軟水がおすすめです。とぎ終わったお米を内釜に入れ、1合あたり190グラムの水を加えてラップをかけ、冷蔵庫で45分寝かせましょう。

 ごはんはお米と水だけで炊き上がるとてもシンプルなもの。だからこそ、この手間が出来上がった時の味を大きく左右します。冷蔵庫で浸水させることで、ゆっくりじっくり、お米の芯まで水が浸透し、炊き上がりがふっくらと甘くなるのです。炊く時にゆっくり火が入るのもおいしさが増すポイント。

ラップをして冷蔵庫で寝かすひと手間でごはんがおいしく炊き上がる【写真:小林靖】
ラップをして冷蔵庫で寝かすひと手間でごはんがおいしく炊き上がる【写真:小林靖】

 また、夏場など室内気温が高い時に水が腐るのを防ぐこともできます。冷蔵庫の中に内釜を入れることがスペース的に厳しい場合は、タッパーなどを利用してもOKです。

【5. 炊飯】
 しっかり浸水させているので、炊く時は「早炊き」モードにします。

 お米の品種や精米した時期、炊飯器のクセなど、さまざまな要因によって同じ水加減でも炊き上がりが変わります。水の量を変えて何度か試し、お好みの炊き加減を探してみてください。

【6. ごはんをほぐす】
 とぎ・浸水に次いで大切なのが、ほぐしです。蒸らす時間を待たず、炊き上がったらすぐに炊飯器を開け、空気を含ませるようにしながら下から上へ優しくほぐしてください。

炊き上がったらすぐに空気を含ませるようにしてほぐす【写真:小林靖】
炊き上がったらすぐに空気を含ませるようにしてほぐす【写真:小林靖】

 こうして余分な水分を飛ばして粗熱を取ることで、余計な水分ムラができず、食感の良いおいしいごはんに仕上がります。

 後は、炊きたてのごはんをお椀に盛って食卓へ。甘みが強く、香り高く炊き上げたごはんは、きっと食卓を笑顔にしてくれることでしょう。

◇松下祐(まつした・ゆう)
お米のトータルプロデュース事業を展開する京都の老舗米穀店「八代目儀兵衛」取締役COO。大手グルメサイトで培った食の知識を元に、五つ星お米マイスターとして活躍中。日本全国で講演や勉強会を行うなど、お米のおいしさと素晴らしさを伝え続けている。

(和栗 恵)