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ごはんの保存の仕方は? 無洗米も浸水は必要? 五つ星お米マイスターに聞くお米の常識

公開日:  /  更新日:

著者:和栗 恵

お米を選ぶ基準は? 値段は味に比例する?

Q. お米は価格が高い方がおいしいのですか?
「高価だからおいしい」とは言い切れないと思います。野菜も同じですよね。無農薬栽培だからといって、何でもおいしいわけではありません。ただ、価格の高さはそれなりの手間暇がかかっているということでもあります。そうしたストーリーを楽しむことも、ごはんをおいしくいただく手段の一つになるでしょう。

 ただ一つ注意したいのは、お米もワインと同じように、毎年同じクオリティが保たれるわけではないことです。晴天率や雪解け水の量などさまざまな条件によって、お米の出来は毎年変わります。

 僕たちも新米の時期になると、毎日何十種類ものお米を食べて味見をします。高ければおいしいわけではなく、おいしいお米は好条件が重なったもの。価格でみるのではなく、実際に食べて味を判断してみてください。

京都で代々続くお米屋さんが前身の「八代目儀兵衛」【写真:小林靖】
京都で代々続くお米屋さんが前身の「八代目儀兵衛」【写真:小林靖】

Q. 無洗米は本当に洗わなくてもいいのでしょうか?
 といだり洗ったりしなくてもいいというのが無洗米の売りですが、僕はやはり、すすぐ作業をしてほしいと思っています。無洗米の作り方は複数ありますが、いずれにしてもお米の表面に汚れやぬかは残っているもの。おいしく炊くためにも水を一度変えて、そうした汚れを取り除きましょう。

 無洗米を「おいしくない」という人もいますが、これは半分正解で半分不正解。おいしい無洗米もちゃんと存在します。ちなみに、無洗米の炊き方はとぎの工程が不要なだけ。それ以外は通常のお米と変わらないため、きちんと吸水させてから炊き上げましょう。

◇松下祐(まつした・ゆう)
お米のトータルプロデュース事業を展開する京都の老舗米穀店「八代目儀兵衛」取締役COO。大手グルメサイトで培った食の知識を元に、五つ星お米マイスターとして活躍中。日本全国で講演や勉強会を行うなど、お米のおいしさと素晴らしさを伝え続けている。

(和栗 恵)