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「新米を炊く時は水を少なめに」って本当? 五つ星お米マイスターが教える新米の基礎知識
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新米シーズンが到来しました。各地から伝えられる出荷式などのニュースを見て、楽しみにしている人も多いでしょう。とはいえ、新米が一体いつ収穫されたものなのかなど、細かい知識をご存じでしょうか? 究極の土鍋炊きごはんが食べられるとして人気の「米料亭 八代目儀兵衛」を運営する京都の老舗米穀店「八代目儀兵衛」。同社の取締役COOであり、五つ星お米マイスターでもある松下祐さんに、じっくりと伝授していただきました。
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お米は野菜と同じ 新鮮なものほどおいしい!
――「新米」の定義とは?
その年の7~12月までに収穫され、収穫日から12月31日までの間に精米・販売されたものが新米です。早ければ7月頃から収穫され、乾燥や精米などの工程を経て、9月頃から店頭に並び始めます。日本ではお米が年に1度しか収穫できないため、フレッシュなものほどおいしさを保持しているのは野菜と同じです。
精米してしまうとお米の中に蓄えられた水分がどんどん抜けていくので、精米したてのものを選ぶのがマストです。ちなみに、産地や品種によって味わいが変わるのはもちろんですが、その年によっても味が変わります。昨年と同じお米が今年も必ずおいしいとは限らないので、新米の時期に少量ずつ購入し、食べ比べてみるといいでしょう。
――新米の保存方法は?
新米に限りませんが、お米は保管する場所に気を配りましょう。新鮮な野菜と同様のものですから、温度変化に弱いのです。保存用の容器に移し替えたら、できるだけ温度変化がない部屋で保管するようにしてください。直射日光が当たるような場所や、ストーブが当たって高温になるような場所はNGです。
冷蔵庫に入れて保存する際は、できるだけ密封してから冷蔵庫に入れるといいですね。乾燥を防ぐとともに、冷蔵庫内の他の食品から匂いが移るのを防ぐことができます。
――おすすめの新米は?
あくまでも個人的な意見であり、今年のお米が確実においしいかは分かりかねますが、長野県飯山地方の「コシヒカリ」をおすすめしたいですね。
ただ、日常的に食べる“ごはん”は、十人十色の好みがあります。「コシヒカリ」など聞き慣れたものだけではなく、新しくさまざまなお米が登場しているので、食べ比べてみて好みのものを見つけてもらえるとうれしいです。好みのお米で、好みの炊き方で、好みのおかずとともにいただく。これが、それぞれの家庭の味になるのですから。