漫画
映像で警察に通報 新情報システムを解説した漫画に6万人が称賛「役立ちそう」
公開日: / 更新日:
「どのような時に必要か」私なりに伝えたい
志水さんに漫画化した理由や、心に残った読者の声などを伺いました。
Q. このシステムを知ったきっかけを教えてください。
「私がデザイナーとしてプロボノ(専門スキルを生かしたボランティア活動)をしている、痴漢抑止活動センターの代表が新聞を読んでいて、『これすごくない!?』と、教えてくれました」
Q. 漫画を描いた理由は?
「前述の代表から『ぜひ広めたいから図解にしてツイートして』と提案されました。ただ、私は新聞記事を読んでの第一印象が『事件に巻き込まれてる最中に、ログインしてる暇ある……?』でした。また、『撮影中に通話は続けられるのか?』など、システム面でも記事だけでは不透明な部分もあったので、仕組みの紹介ではなく、『どのような時にこのシステムが有効か』を私なりに伝えようと思い、この漫画を描きました。
ちょうどこのシステムについての記事が出た前日に、赤ちゃんがベビーカーから連れ去られそうになる事件があり、『周りの人が誰も助けてくれなかった』という介助者の主張が話題になっていたのもあって、何もしない傍観者『野次馬』を描こうと思いつきました」
Q. 今回の漫画に込めた思いを教えてください。
「お守りとして多くの人に知ってほしくて、勢いだけで夜なべして描きました(笑)。万が一、身の回りで事件が発生したら介入はしてほしいのですが、『正義の味方になれ!』『身を挺して弱者を守れ!』というメッセージにはならないように、『自身の安全確保が最優先だよ』というメッセージは絶対に入れようと気をつけました。みんなが無事でいてほしいです」
通信費は通報者の自己負担 今後の改善に期待
Q. このシステムが広く使われるようになることに、どのような利点や効果があると思われますか?
「通報のハードルが下がると思います。一般人が警察のお世話になることってなかなかないので、110番には並々ならぬ勇気が必要です。一番の心配が『うまく伝えられるかな』だと思うので……。
実は私自身もつい最近、生まれて初めて通報をしたのですが、『~ですか?』『何人ですか?』など詳細を聞かれると怒られているような気がして、『すみません、そこまで分からなくて……よよよ』と震えながらしゃべりました。そんな時に『写真を撮ったんです』から始められると心強いですよね。本当は110番通報も練習できる機会があればいいのに……と思っているくらいです。通報は本当に、緊張しました」
Q. 心に残った読者の感想は?
「『パケット代(通信料)が気になる』という言葉にハッとしました。動画の送信にはパケット代がかかる……。110番通報の電話代は無料のはずですが、『データ通信費もお願いします! 警察さん!』と思いました。(※編集部注:システムに利用にかかる料金は無料ですが、データ送信にかかる通信料は自己負担になります)
『悪用するやつがいる』『野次馬がもっと増える』という意見は、少なからずありました。この点は、私もテーマを野次馬にしてしまった時点で誤解されないように心がけました。野次馬をされる方の人格否定をしないように注意したつもりです。
いまいちな行動を罵るのではなく、良い行動を起こせた人を称える文化が強化されるといいなと思います。その勇者が怪我をしないように、周りのさらなるサポートを期待しています」
(Hint-Pot編集部)