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どうぶつ

お迎えした子猫は陽キャガールとお嬢様 ドイツ日本人記者の新生活で見えた2匹の個性

公開日:  /  更新日:

著者:島崎 英純

日本でめぐり会った2匹の愛猫 新しい家族は“わんぱくなオス猫”に共通点が

 僕は今まで、日本で2匹の愛猫とめぐり会いました。

 最初に迎え入れたメスの黒猫は、背中の毛の一部分がストレスで抜け落ちている気弱な子でした。保護猫施設にいた“彼女”はなかなか里親さんが見つからず、生後6か月の避妊手術を終えた段階で僕が譲り受けたんです。彼女は神経質で怖がりで、迎え入れてから1週間ほどは部屋の片隅の物陰に隠れたままで、食事にもほとんど手を付けませんでした。

 2匹目の子は、一転してわんぱくなオス猫。彼の場合は生後3か月と、今回の“ハチワレさん”と“サバトラさん”と同じ月齢で保護猫施設から引き取りました。お迎え当日の夜に、僕のベッドの上で大の字になって寝る快活な姿を今でも覚えています。

 今回の“ハチワレさん”と“サバトラさん”は一見すると、2匹目の愛猫と性格が似ていると感じました。

陽キャガールの“ハチワレさん”とお嬢様の“サバトラさん”

 あっ、“ハチワレさん”がもう、ソファで大の字になって寝ている……。一方で、“サバトラさん”は周囲を見渡し、環境の変化に気づいている感じ。“2人”の様子を改めてじっくりと観察してみると、それぞれ性格が異なるように思えてきました。

 “ハチワレさん”は譲渡元の農家で出会った時に感じた通り、愛嬌抜群で一切人(猫)見知りせず、積極的にコミュニケーションを図るタイプ。この子は初対面の人にも遠慮なくずんずんと近づいて足にまとわりついて頬ずりし、ゴロンと寝転んでお腹を見せたりもする、“犬みたいな猫”です。

 正直、僕はこれほどまでに人馴れして警戒心皆無の猫に出会ったことがありませんでした。ちなみに我が家に来てから約2か月が経過した現在も、この子の性格は一切変わっていません。

 一方、“サバトラさん”に対しては、新居での月日を経るごとに警戒心が強くなっていった印象があります。僕には素の姿をあらわにして我が物顔で周囲を闊歩していますが、知らない人の訪問があると、一目散に逃げて寝室のベッド下から出てこなくなりました。

 うん、こちらの方が普通の猫っぽい。農家のご主人によると“2人”はともにメス猫です。メス猫には生来クールでツンデレな子が多い傾向があるというのも見知っていたので、それも踏まえて“2人”のキャラクターを一言で表現するとすれば、“ハチワレさん”は風変わりで陽キャなガール、“サバトラさん”は慎ましいながらも家族には遠慮がないお嬢様、といったところでしょうか。

 さてそれでは、それぞれの性格を踏まえて、この子たちの名前を決めなくては!

 実はこの後、彼女たちの名前付けによって少しの問題が生じるのであります。その顛末はまた次回に!

(島崎 英純)

島崎 英純(しまざき・ひでずみ)

1970年生まれ。2001年7月から2006年7月までサッカー専門誌「週刊サッカーダイジェスト」(日本スポーツ企画出版社刊)編集部に勤務し、Jリーグ「浦和レッドダイヤモンズ」を5年間担当。2006年8月にフリーライターとして独立。2018年3月からはドイツに拠点を移してヨーロッパのサッカーシーンを中心に取材活動を展開。子どもの頃は家庭で動物とふれあう環境がなかったが、三十路を越えた時期に突如1匹の猫と出会って大の動物好きに。ちなみに犬も大好きで、ドイツの公共交通機関やカフェ、レストランで犬とともに行動する方々の姿を見て感銘を受け、犬との共生も夢見ている。