どうぶつ
子猫2匹を自宅へ ドイツで猫との生活を始めた日本人男性が振り返るドタバタお迎え劇
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大切な家族の一員であるペットのお迎えには、飼い主それぞれに忘れがたい物語があるでしょう。2018年からドイツでサッカー記者として活動する島崎英純さんは、大の猫好きでもあることから、この連載では同国で猫との暮らしを実現するまでのプロセスを一つひとつ綴っています。島崎さんは先日、南部の田舎町まで子猫をお迎えに行きました。“運命の2匹”と出会うことができましたが、帰りはなかなか大変な旅路となったようです。
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農家の夫婦は“ハチワレさん”と“サバトラさん”の譲渡を快く承諾
ドイツの農家で出会った“ハチワレさん”と“サバトラさん”。ハチワレさんは無邪気に僕の友人の手の中で戯れ、サバトラさんは僕の腕にしっかりとしがみついて離れません。農家のご主人に、「この子たちはオス、メス、どっちですか?」と尋ねると、ご主人はおもむろに2匹を抱き上げて下から覗き込みますが、正確には分からないようです。
「どっちもメスかなぁ。そうだと思うよ」
何とも心もとない返事ですが、まだ子猫ですからなかなか判別しがたいのかもしれません。多頭飼いともなると、お互いの性格や性別の違いによる相性などもあるかと思います。てっきり同じ母猫から生まれたきょうだいなのかと思ったら、「こっちのサバトラの子が5月7日生まれ、そしてハチワレが9日遅れの16日生まれ」との返事が。
「うちには母猫が2匹いて、同じ時期に妊娠して出産したのよ。でも、ずっと一緒に暮らしているから姉妹と変わらないわよ。この子たちもそう思ってるんじゃない?」
そんなものなんですか。まあ、確かに子猫たちはしっかり寄り添ってお互いに毛づくろいしていますし、関係は極めて良好そうです。これならば初めての多頭飼いでも、何とか仲良く暮らせるかも。
「では、このハチワレさんとサバトラさんを連れて帰ってもよろしいでしょうか?」
農家のご夫婦に面談されていると自覚している僕は、恐る恐るそう尋ねました。すると、ご主人がこう言いました。
「もちろんだよ! 2匹と言わず、3匹でも4匹でも、何なら全員連れて帰ってもいいよ(笑)」
いやいや、うちのアパートメントは室内がそれほど広くなく、またテラスも小さいんですなどと話すと、「そうか、それなら仕方ないね。じゃあ、この2匹を大切にしてあげてね」と言って笑顔を浮かべてくれました。ということで、僕は、その日のうちに我が家へ猫を迎え入れることになったのです。