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オーストラリアのビール市場 実は日本企業2社の寡占状態 代表銘柄やトレンドは?

公開日:  /  更新日:

著者:守屋 太郎

パブで提供される標準的なグラス「スクーナー」(約425ミリリットル)。1杯の価格は、シドニー市内のパブで8豪ドル(約742円)前後【写真:守屋太郎】
パブで提供される標準的なグラス「スクーナー」(約425ミリリットル)。1杯の価格は、シドニー市内のパブで8豪ドル(約742円)前後【写真:守屋太郎】

 日本を含む国や地域が海外渡航者に対する措置の緩和を相次いで発表し、海外旅行の復活に向けて大きく前進しました。南半球のオーストラリアにも、日本人のワーキングホリデー旅行者や留学生の姿が増えると予測されます。現地はこれからクリスマスに向けて夏本番。冷えたビールがおいしいシーズンの到来です。現地在住ジャーナリストの守屋太郎さんが、同国で暮らすためのノウハウなどを解説するこの連載。今回から2回にわたり、「オーストラリアのビール」をテーマにお届けします。前編は、同国のビール事情についてです。

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オーストラリア人にとってビールは“国民酒”

 お酒が好きな人にとって、タップから注がれたばかりの冷たい生ビールほどおいしいものはないでしょう。南半球のオーストラリアはこれからが真夏。灼熱の太陽の下で潮風に吹かれながらのどを潤す、キンキンに冷えた生ビールは最高です。

 オーストラリア人にとってビールは、街中にある英国式のパブだけでなく、週末の裏庭やビーチでのバーベキューに欠かせない存在。まさに“国民酒”といえるアルコール飲料です。

 国別の国民1人あたりのビール消費量の統計(2020年、キリンホールディングス調べ)によると、オーストラリアは年間71.6リットルで世界19位。これは大瓶換算で113本もの量で、日本(34.9リットル、同55.1本、世界52位)の2倍以上も飲んでいます。オーストラリアの人口は約2500万人と日本の5分の1以下ですが、ビール市場は日本の4割以上の規模があるわけです。

 そんなオーストラリアのビール需要を狙ったのか、市場は日本企業2社の寡占状態にあります。かつては小規模のビール醸造所が各地に乱立していましたが、合併・吸収を繰り返して「ライオンネイサン」(ライオン)と「カールトン&ユナイテッドブルワリーズ」(CUB)の大手2社に集約されました。

 その後、キリンホールディングスがライオンを、アサヒグループホールディングスがCUBをそれぞれ買収し、現在に至っています。2022年度のシェア(オーストラリアの調査会社IBISWorld調べ)は、アサヒが43.3%、キリン傘下のライオンが30.6%となっており、日本のビール会社が市場の約4分の3を占めているのです。