仕事・人生
認知症の父にうれしい変化 同じ質問を何度も繰り返す無限の「電話地獄」にアラフィフ娘が実践した「色」の活用法とは
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2018年に100歳以上の高齢者の人口が7万人近くに達し、超高齢社会の先頭を走り続ける日本。高齢化に比例して、認知症患者の数も増加の一途をたどっています。認知症とどう向き合い、どう暮らしていくか……。筆者自身も約1年半前に70代の父が「認知症」と診断され、父と一緒に暮らしていた母が一時「鬱」のような状態になってしまったこともありました。現在も両親とは離れて暮らしていますが、認知症への理解と協力を家族で深め続けています。今回もアラフィフ筆者の実際の経験談から、ちょっと役に立った「色」を活用したちょっとした工夫をお届けします。
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父が送る記憶のない生活 無限に繰り返される「地獄」のようなもの…
認知症を患った父を介護する上で、最も大変なこと。それは、毎日必要となる「基本的生活習慣」ができなくなっていくことでした。以前書かせていただいた「お風呂に入らなくなる」ということもそうですが、これまでごく当たり前にしていたことが、まるでできなくなってしまうのです。
・トイレのスリッパを履いたままうろうろする
・電気を消し忘れる
・水を出しっぱなしにする
・コンロに鍋をかけたまま忘れてしまう
といったことがどんどんと増えていきました。
そこで母が、トイレには「スリッパを履いて出ないで」という張り紙を。電気のスイッチには一つひとつ、「消灯!」という注意書きを丁寧に貼り付けましたが、効果はナシ。(コンロだけは本当に危険なので、厚紙でコンロを覆い隠し、温度センサー付きのコンロだけが使えるようにしました)
また、私に対しても、
「お母さんはどこに行ったんだ?」
「車がない。どこに停めたか分からない」
「仕事先に忘れ物をした。取りに行かなきゃならないのに、場所が分からない」
と、毎日、少ないときで2~3回、多い日には5~6回、電話がかかってくるようになりました。そのたびに、
「お母さんは、〇日まで、お友達と旅行に行っている」
「車は処分していて、もう家にはない」
「仕事はもうしていない。だから、仕事先に行く必要はない」
こうした言葉を繰り返し言って聞かせるのですが、1時間もしないうちに、同じ質問を繰り返すのです。無限に繰り返されても困る……と思い、白い大きな紙に車を処分した旨などを書き、父の部屋に貼ってみたのですが、やはり効果はナシ。
私は離れて暮らしているので、電話に出なければそれで済むのですが、同居している母は、こうして繰り返される地獄のような、そして悪夢のような状況に、ノイローゼ寸前に。また、私自身も電話が鳴るたびに「今度はなんだ!?」と、ビクッとしまうようになってしまったのです。
このままではいけない。母も私も壊れてしまう。何か、打開策を考えなければ……! そう思い、まずは「記憶」について調べ、学ぶことにしました。