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ヘルシー食品として注目を浴びる米 ナチュラリストが教える絶品ライスレシピも

公開日:  /  更新日:

著者:小田島 勢子

我が家は短粒米の玄米を、精米機にかけてぬかと7分づきの米にする【写真:小田島勢子】
我が家は短粒米の玄米を、精米機にかけてぬかと7分づきの米にする【写真:小田島勢子】

 秋の味覚の代表格・新米が出回る季節。米ロサンゼルスの片田舎で夫と娘3人、鶏、豚、犬たちと自然に囲まれた生活を送る、ナチュラリストの小田島勢子さんもこの時期のお米が大好きです。ただし、米国ではあまり「新米」を楽しむ文化がなく、むしろ古米をおいしくいただく機会も多いとか。創作料理のケータリングやプロアスリートの体作りのアドバイザーなど、食に精通する小田島さんが、米国でのお米事情や新米の知識について綴ります。

 ◇ ◇ ◇

カリフォルニア州ではお米はポピュラーな食材

 実りの秋。10月に入り、今年も新米の季節がやってきました。この時期、北カリフォルニアのサクラメントバレーの大地では、黄金の稲穂をつけたライスフィールドが視界いっぱいに広がります。

 ここカリフォルニア州は、アーカンソー州に次いで米国で2番目の米の生産地。米を主食とするアジア人の人口が米国最大なこともあり、どこのスーパーマーケットでもお米は気軽に手に入る食材です。

 さらにここ数年で、グルテンを避ける人から、さまざまな食品の原材料として米が注目されています。ヘルスコンシャススーパーマーケットや、そこへ買い物に行く健康志向の人の話題やレシピに取り上げられる機会が増えたためか、いつの間にかヘルシー食品として多くの人に食されるようになりました。

 今回は日本でもなじみ深い「お米」について、米国の生活でも欠かせない私なりの選び方や食べ方の工夫、アイデアをお伝えしたいと思います。

新米の季節は貴重 表示時期は法律で定められている

日本の友人からもらった経木でおにぎりを包む。ピクルスとともに公園へ【写真:小田島勢子】
日本の友人からもらった経木でおにぎりを包む。ピクルスとともに公園へ【写真:小田島勢子】

 お米の中でもこの時期しか味わうことのできない新米。炊きたての新米を頬張る瞬間のあの甘みと芳醇な香り、もっちりとした食感は、それだけでごちそうではないでしょうか。

 この新米ですが、日本では新米と表示することができる時期が法律によって決められています。例えば、今年2022年に収穫された玄米や精製された白米のうち、2022年12月31日までに包装されたものに限って「新米」と表示することができるとの定めです。

 米国で売られているお米が新米かどうかは、日本のように明確な決まりがなく、各メーカーによって表示が異なります。その年に収穫された新米に「new crop」と書かれたシールが貼られていたり、賞味期限ではなく収穫後にパックされた日付が記載されていたりします。

 表示に明確な決まりがない理由としては、そもそも日本のように新米が重宝される文化がないからではないかと思っています。元々、米を主食としてよく食べる人口が少ないことはもちろん、米国ではパラパラとした食感のインド米や、プチプチとした食感の玄米の方が人気があり、新米独特の粘りのあるもっちりとした甘い食感が苦手な人もいます。