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現地では格安でもおいしい一本が オーストラリア産ワイン 選び方のポイントとは

公開日:  /  更新日:

著者:守屋 太郎

オーストラリアでのワインの楽しみ方

ワイナリーにも足を運びお気に入りの一本を見つけてみては?【写真:Destination NSW】
ワイナリーにも足を運びお気に入りの一本を見つけてみては?【写真:Destination NSW】

 オーストラリアの1人あたりのワイン消費量は28.26リットル(2017~2018年度=オーストラリア統計局調べ)。日本の2.87リットル(2019年=キリンホールディングス調べ)の約10倍も飲まれています。そんなワイン大国を旅する時、日本でワインを飲み慣れていない人はどのように楽しめば良いのでしょうか?

「オーストラリアは『ニューワールド(新世界)』と呼ばれるワインの新興国。堅苦しいルールにとらわれず、自由に楽しんでほしいですね」(ワイン産地ハンターバレーのワイナリー経営者)

 また、筆者の友人にワインの好みを聞いてみると、次のような声が聞かれました。

「ステーキや焼き肉などのこってりした肉料理には、タンニンが強くザラリとした舌触りのシラーズ(赤)が定番」
「少し苦めの味わいが特徴的な生のロックオイスター(岩ガキ)には、キリリと冷えた辛口のリースリング(白)が最適」
「あっさりした白身魚や刺し身には、上質なソーヴィニヨン・ブラン(白)が合う」

 ただ、オーストラリアの酒屋に行くと10豪ドル(約920円)以下の安いものから、カギのかかった棚に入った数千豪ドルのヴィンテージワインまで、非常に数多くの種類と価格帯があります。初心者はどの一本を選べばいいのでしょうか? 「1日1本は必ず飲む」というワイン愛好家にコツを聞いてみました。

「本物のワイン通には怒られるかもしれませんが、コスパを考えれば、毎日の家飲みは現地で『クリーンスキン(Cleanskin)』と呼ばれる無印ワインで十分。1本5豪ドル(約460円)前後からありますが、その中で少し高めの10豪ドル前後で、マーガレットリバーなどの産地が明記されているものが狙い目。選べば意外とおいしいのもありますよ。

 週末やホームパーティー、レストランに持ち込む場合(オーストラリアではBYO=Bring Your Ownといって、外で買ったワインを飲食店に持ち込めるシステムがある)は、少し高めの1本30豪ドル(約2800円)前後で好みの銘柄を覚えておけばいいと思います。

 そうしたよそ行きのシチュエーションでは、記事の趣旨とずれてしまいますが、ニュージーランドのマールボロ(Marlborough)地方産のソーヴィニヨン・ブランなら間違いありません。『オイスターベイ(Oyster Bay)』や『クラウディベイ(Cloudy Bay)』といったブランドがいいでしょう」

 ワインは料理とのマリアージュ(相性)を楽しむ食中酒。日本酒と同じく、食事との組み合わせは無数にあり、本当に奥深いものがあります。自分の嗜好や料理に合わせて、お気に入りの銘柄を見つけてみてはいかがでしょう。

(守屋 太郎)

守屋 太郎(もりや・たろう)

1993年に渡豪。シドニーの日本語新聞社「日豪プレス」で記者、編集主幹として、同国の政治経済や2000年シドニー五輪などを取材。2007年より現地調査会社「グローバル・プロモーションズ・オーストラリア」でマーケティング・ディレクター。市場調査や日本企業支援を手がける傍ら、ジャーナリストとして活動中。