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からだ・美容

老けて見える「白髪」 増やさないための予防法を医師が解説

公開日:  /  更新日:

著者:岩淵 美樹

教えてくれた人:佐藤 卓士

ストレスを溜めない生活習慣と髪を健やかに育む食生活で予防

ヒジキ、ワカメ、ホウレン草、カキなどは積極的に摂りたい(写真はイメージ)【写真:写真AC】
ヒジキ、ワカメ、ホウレン草、カキなどは積極的に摂りたい(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 白髪に限らず、ストレスは健康を害する大きな要因です。仕事やプライベートで抱えている悩みもあるでしょうが、上手に発散できる方法を見つけましょう。また、睡眠不足は血行不良のもと。頭皮に十分な栄養が運ばれなくなるので、睡眠時間をしっかり確保してほしいですね。

 偏りのないバランスの取れた食事を摂ることも大切です。過度なダイエットをしていると、髪も痩せてきてパサパサになりますし白髪の原因にもなるでしょう。

 積極的に摂りたいのは、髪の主成分であるタンパク質です。肉や魚、チーズ、卵、豆腐、納豆はタンパク質が多く含まれています。ミネラルも髪の成長には必要な栄養素です。鉄分や亜鉛は不足しがちなので、補助としてサプリメントを利用するのもいいでしょう。食材では、ヒジキ、ワカメ、ホウレン草、カキに多く含まれます。

 細胞の活性化にはビタミンも必須です。ビタミンC、E、B群を主に摂るといいでしょう。ビタミンCは緑黄色野菜や果物、ビタミンEはアボカド、カボチャ、ナッツ類、ビタミンB群は肉、大豆、ゴマに多く含まれます。

1日5分の頭皮マッサージで頭皮環境を整える

 ストレスや血行不良、栄養不足によって頭皮は硬くなりがちです。頭にも筋肉がありますので、肩・首こりのように筋肉がこり固まることも。血流が悪いと、毛母細胞やメラノサイトに栄養が届きにくくなるので、日頃からマッサージをしてめぐりの良い頭皮を保ちましょう。

 シャンプー前やシャンプー中に、指の腹で頭皮を動かすようにして揉みほぐしてください。指の腹を頭皮に当て、小さく円を描くように揉みほぐしたり、ツボ押しをしたりするようにゆっくり押すのもいいでしょう。

 頭全体をまんべんなくマッサージすれば、血行が良くなり、硬くなった頭皮もやわらかくなります。指で頭皮をこするのは摩擦が起きてしまうのでNGです。白髪だけでなく、髪のハリ・コシを保つ、抜け毛を予防することにも役立ちますので、ぜひ習慣にしてください。

 白髪が気になって抜いてしまう人もいますが、無理やり抜くのは毛根のダメージにつながり、健康的な髪が生えにくくなります。1~2本気になる場合は、根元をハサミで切るようにしてください。

 残念ながら白髪に対する治療薬はまだ開発されていません。白髪が増えて見た目が気になる方は、白髪染めで目立たなくするくらいしか対処法がないのが現実です。白髪染めはパッチテストをし、アレルギーがないかをチェックしてから行ってください。

(岩淵 美樹)

佐藤 卓士(さとう・たかし)

1970年4月7日生まれ。九州大学医学部卒。岡山大学医学部、杏林大学医学部、都立大塚病院形成外科にて研鑽を積む。医学博士、日本形成外科学会認定専門医、日本レーザー医学会認定レーザー専門医。日本形成外科学会、日本皮膚科学会、日本美容外科学会、日本レーザー医学会、日本手外科学会、日本創傷外科学会に所属。2018年よりアヴェニュー表参道クリニック院長として、形成外科・皮膚科で学んだ知識と経験を基にわかりやすい説明を心がけ、日々診療を行う。