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暦の上で冬の始まりを告げる「立冬」 今年はいつ? 覚えておきたい「冬至」との違い

公開日:  /  更新日:

著者:鶴丸 和子

立冬の時期は七五三、十日夜のお月見も

七五三のお祝い(写真はイメージ)【写真:写真AC】
七五三のお祝い(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 年中行事の「十日夜」も立冬の頃です。元々は旧暦10月10日の夜でしたが、現在は新暦11月10日に行う地域が多いようです。田の神様が山に戻る言い伝えが残る地域では、稲刈りを終えた感謝を込めて収穫祭を行います。また中秋の名月、十三夜に続き3度目のお月見をすることも。

 子どもに関係する行事としては「七五三」があります。3歳、5歳、7歳の節目の年に子どもの成長を祝い、長寿を願う儀式です。現在は11月15日が一般的とされています。

「小春日和」は立冬の時期ならでは

かぐわしい香りのスイセン(写真はイメージ)【写真:写真AC】
かぐわしい香りのスイセン(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 冷気が日ごとに加わり、北寄りの強く冷たい風が吹き、季節が移り変わります。「木枯らし」は、日本列島の西に高気圧、東に低気圧が位置する「西高東低」の冬型の気圧配置となった際に吹く風。一方で、打って変わったようにのどかで暖かな日もあります。「小春日和」とは、まるで春と勘違いするような、この時期の穏やかな陽気のことです。

 昔の日本では、寒さの中でも美しく咲き誇る花々で季節を感じてきました。鮮やかな赤やピンク色の山茶花(サザンカ)は、冬の足音を感じる花。童謡「たきび」の歌詞にも登場します。この他、スイセンのかぐわしい香りも風物詩。寒さに強く、雪の中でも開花することから「雪中花(せっちゅうか)」の別名もあります。

 本格的な冬に向けて、準備を始める時期です。ちなみに、冬(ふゆ)の語源は諸説ありますが、「冷(ひ)ゆ」が転じたもの、または年が暮れていくので「経(ふ)ゆ」、寒さに「震(ふる)う」などが変化したものといわれています。

(鶴丸 和子)

鶴丸 和子(つるまる・かずこ)

和文化・暦研究家。留学先の英国で、社会言語・文化学を学んだのをきっかけに“逆輸入”で日本文化の豊かさを再認識。習わしや食事、季節に寄り添う心、言葉の奥ゆかしさなど和の文化に詰まった古の知恵を、今の暮らしに取り入れる秘訣を発信。
インスタグラム:tsurumarukazu