我慢できずに、1000円カットで坊主へ

　脱毛といってもきれいにすべて抜けてスキンヘッドになるわけではないので、ショートヘアのまま自然放置する方もいらっしゃいます。ただ、私は朝起きると首と顔の周囲や枕、ベッドにもモワモワと髪があり、掃除してもまたすぐどこかに髪があるという状態に耐えられず、「坊主にしよう！」と決意。近所の1000円カットに出向いて「一番短い坊主にしてください」と、思い切って1ミリのバリカンで剃ってもらいました。

　その時の解放感はたまりませんでした。とにかくさっぱりして、気持ちが良い！　床屋さんにも「きれいな頭の形してますね。坊主似合いますよ」と言われたのを皮切りに、誰に会っても「坊主いい！」とこれまた好評。

「そう言うしかない」という同情的な気持ちは多少あったかもしれませんが、それでも「それまでのロングヘアスタイルは何だったのか……？」と再び複雑な思いを抱えつつ（笑）、自分でも「案外良いな」と思ってしまいました。

抜けるのは髪だけじゃない！　体中のあらゆる毛がなくなっていく

　ちなみに、抜けるのは頭髪だけではありません。体中のあらゆる毛が抜けていきます。最近、話題になっている介護脱毛も不要なくらいに体毛もなくなり、まるで自然の脱毛サロン状態に。

　そしてこれも個人差はありますが、眉毛やまつ毛も抜けます。私は4回目の抗がん剤投与後に眉毛が半分くらいまだらに抜けてしまったので、「セルフタンニンアイブロウ」という数日色素が残るアイブロウで描き足すことに。またまつ毛は、上が半分、下はほとんどなくなってしまいました。

　投与を終えてから約2か月の現在、全体的に戻り始めているのでうれしい反面、「このまま生えてこなくていいのに……」という箇所もあり、何とも複雑な気分です。

坊主生活は意外とやみつき？

　坊主にしても髪は抜けていくのですが、お風呂ではすべて流れてしまいますし、抜けている様子も分からないので、この点ではとても快適でした。

　また、坊主にしてからは、それまで使っていたヘアケア用品よりも専用のものの方が復活は早いかも!?　……と期待して、頭皮に優しいケア用泡シャンプーに切り替えました。1回に使う量が少ないのでかなり持ちます。

　当然ドライヤーをかける必要もないので、時短で楽。夏は涼しくて爽快です。アクセサリーも映えるし、帽子やターバンなどのスタイルも楽しめます。坊主にしてみると意外にメリットが多いと気づき「この後も自発的に続けようかな」と迷っているところです。

（島田 みゆ）

島田 みゆ（しまだ・みゆ）

1983年生まれ。社会人教育関係の会社で企画編集として11年勤めたのち、旅や食分野のライター、ヨガ講師、海外ツアーコンダクターの複業フリーランスに。コロナ禍で旅行の仕事が休業状態になり、好きな旅行ができないのであればと2022年からの海外生活を見据えていた矢先、38歳で乳がんが判明。3月に右胸全摘出手術を終え、現在も治療を続けながら、自身の経験を踏まえて多くの女性の心と体を健康に役立つ発信・活動をしたいと考えている。
ツイッター：@myuu_works
note：島田みゆ | 取材ライター×ヨガ講師×海外ツアコン