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思春期の性教育 学校任せにできない最大の理由とは 教える側も大いに勉強が必要
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教えてくれた人:OliviA
「困ったことがあったら自分で解決しようとしない」が基本スタンス
一番スムーズなのは、最初にスマホを持たせる時のルール決めです。切り出し方は、子どもの性格にもよりますが、女子も男子も基本的な姿勢は同じです。
それは「困ったことがあったら自分で解決しようとしない。いつでも保護者か第三者に相談して」というもの。SNSを介して裸の自画撮りを送ってしまうケースや、アダルトサイトを見てしまい150万円くらいの高額請求が来たというケースなどの具体的な事例を示しながらそれを伝えましょう。
もちろん保護者に相談してくれるのが一番ですが、子どもとの関係が円滑ではない場合や子どもが相談しにくいと判断した場合、事態を悪化させてしまうくらいなら、第三者を介することまたは相談窓口の活用を考えましょう。一般論として「こういうところもある」と相談窓口の情報を共有しておくと良いと思います。
高校生くらいになってから急に厳しくするのは逆効果。その年頃までに話をしてこなかった場合、急に介入すると引かれてしまうこともあります。そういう時も、実例についての話し合いを糸口にすると良いでしょう。
女の子の場合はより“プロテクトすること”を念頭に置いて話す
女の子の場合は、自撮りした裸画像の拡散や妊娠など、その後の人生を左右しかねないさまざまなリスクもあります。また相手による性加害の可能性もあるので、よりプロテクトすることを念頭に置いて話す必要があるでしょう。男の子の場合も被害者になる場合や、裸画像の要求などで加害者になる場合もあります。
「うちの子は奥手だから」と思っても、思春期には保護者に見せる顔と別の側面が成長するもの。どんなタイプの子どもにも、性行為におけるリスクは話しておいて間違いありません。
もちろん性的なことに興味を抱くのは健康的なことですし、健全な証です。おそらく保護者側も、いろいろ失敗しながら大人になったケースが多いでしょう。しくじった話ができるくらいの関係性であるなら安心ですし、反面教師にしてくれれば……と思えるくらいなら、子どもの関係性は揺るぎないといえますね。
(Hint-Pot編集部)
OliviA(オリビア)
1980年生まれ。ラブライフアドバイザー(R)、アロマセラピスト、日本性科学会 会員。学生時代に「女性の性」をテーマに卒業論文を執筆したことをきっかけに、2007年より性に関する総合アドバイザーとして本格的に活動を開始。台湾でも書籍を出版するなど、日本のみならず海外にも活動の幅を広げ、多方面で「女性のセクシュアルウェルネス」「コミュニケーションを重視した性生活」の提案を行っている。近著に「セックスが本当に気持ち良くなるLOVEもみ」(日本文芸社)など。