ライフスタイル
ネットで話題の水アカ掃除法はNG? プロが語るその理由 発生を防ぐには毎日のひと手間
公開日: / 更新日:
教えてくれた人:伊藤 まき
便利なアイテムがたくさん発売されている上に、さまざまな情報が飛び交う今の時代。お掃除に関しても昔から多種多様な“裏ワザ”が存在します。でも、正しいと思っていた方法が実はNGだった……ということも。掃除のプロでもある整理収納アドバイザーの伊藤まきさんが、プロの視点でお掃除の“NG”をレクチャーするこの連載。今回のテーマは「水アカ」です。最近話題のお掃除法は、プロとしてあまりおすすめできないのだとか。
◇ ◇ ◇
こびりついた水アカウロコ きれいにする方法は「たった1つ」だけ
キッチンやお風呂場の掃除で悩みの種といえば、こびりついた水アカ。ネットで検索すると多数の掃除法が並ぶ様子は、長年戦い続けている人が多いという証明でもあります。しかし伊藤さんによると、最近話題の方法には少し注意が必要です。
「ネット上で『業務用の酸性洗剤を使って水アカウロコを取る』という方法が広まっていることは、恐ろしいと感じましたね。確かに、強固な水アカは酸性洗剤で落とすのがセオリーで、市販の洗剤は弱酸性のものばかり。業務用を使いたくなる気持ちは分かるのですが……プロの立場からは、おすすめできません」
その理由はいくつかありますが、まず知っておきたいのは、強力な酸性洗剤が“取り扱い要注意”だという事実です。
「強力な汚れを強い酸で剥離して取り除くという方法なのです。そのため、強力な酸を使う時でも安全なマスクや手袋、作業服が必要な上に、換気にも気をつける必要があります。また、その後の処理にも注意が必要。しかも、軽い汚れに対して使ってしまうと、逆に腐食や劣化を進めてしまう可能性もあります」
取り扱いが難しいものを無理に使うのであれば、掃除のプロにお願いした方が確実に安全で、なおかつ安く仕上がるそうです。お風呂場やキッチン周りだけなら、1万円~1万5000円程度が相場。手荒れを気にすることなく水回りがきれいになります。また、日頃の心がけ一つで水アカウロコを防ぐこともできるのだとか。
「ホテルでクリーニングの仕事をしていた時、水アカウロコを作らないために、鏡や水回りの水気をタオルで拭うよう教えられました。使った後のバスタオルでかまいませんので、お風呂上がりにタオルで拭き上げ、乾燥機かサーキュレーターを30分ほど回しておきましょう。これだけで、水アカがこびりつくのをかなり防ぐことができます」
(和栗 恵)
伊藤 まき(いとう・まき)
整理収納アドバイザー1級、クリンネスト2級。ホテル清掃員や国鉄系レストランの厨房、内装会社、デパートの搬入搬出などで経験を積み、出版社に入社したのち独立。掃除しながら片づける「整理収納のプロフェッショナル」として各種ウェブメディアで記事を手がけ、掃除本の編集ライターとしても活躍中。
インスタグラム:maki_organize