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からだ・美容

自己流スキンケアで要注意 不自然なツヤが特徴のビニール肌 原因や対策を医師が解説

公開日:  /  更新日:

著者:岩淵 美樹

教えてくれた人:佐藤 卓士

優しく丁寧な洗顔と保湿ケアで角質を整えるケアを

洗顔時はたっぷりと泡立てて、優しく丁寧に(写真はイメージ)【写真:写真AC】
洗顔時はたっぷりと泡立てて、優しく丁寧に(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 ゴシゴシ洗いや過度な角質ケアが主な原因なので、それを改めることで時間はかかりますが、正常な角質の状態に戻すことは可能です。

 洗顔で大切なのは、洗顔料をしっかりと泡立てることと、ゴシゴシこすらないことです。泡立てネットなどを使い、もっちりとした泡を作りましょう。上手に泡立てられない人は、泡で出てくるタイプの洗顔料を使うのも手です。十分に泡立てた洗顔料を肌にのせ、手で転がしながら時間をかけ丁寧に洗います。手で直接肌をさわらないイメージで行ってください。

 泡をすすぐ時は、体温に近いぬるま湯を使いましょう。熱いお湯を使うと必要な皮脂までも流してしまい、肌が乾燥しやすくなります。また、すすぎ残しがあると、肌荒れの原因に。アゴ下や生え際はすすぎ残しが多い場所です。意識してよくすすいでください。

 タオルで水分を拭き取る時もゴシゴシはNG。タオルをそっと肌に当てて、優しく押さえて水分を吸収させましょう。

 洗顔後はできるだけすぐに化粧水、乳液、クリームをつけ保湿をしてあげてください。放っておくと水分が蒸発し、肌を守ろうと皮脂が過剰に分泌してしまいます。ビニール肌の状態は乾燥しやすくなっているので、油分が多いクリームを使うといいですね。

冬でも紫外線対策は怠らないこと

 角質が薄くなっているということは、外的刺激から肌を守る力が弱まっているので、紫外線対策もしっかりと行いましょう。秋から冬にかけては、夏に比べると紫外線量が少なくなるので手を抜きがちですが、外出する際は日焼け止めを塗るようにしてください。SPF値は20もあれば十分です。

 また、肌が敏感に傾いていますので、マスクの摩擦によって肌荒れを起こすことも。マスクと肌の間にガーゼを1枚挟む、布マスクの上から不織布マスクをするなど、マスクをつける際にもひと工夫して摩擦から肌を守りましょう。もちろん、保湿はマストです。

 つるんとしてテカテカしているだけであれば、スキンケアを見直すことで自然と改善されていきます。肌がヒリヒリして赤みがある、吹き出物ができて治らないなど肌トラブルが起きている時は、皮膚科を早めに受診しましょう。

(岩淵 美樹)

佐藤 卓士(さとう・たかし)

1970年4月7日生まれ。九州大学医学部卒。岡山大学医学部、杏林大学医学部、都立大塚病院形成外科にて研鑽を積む。医学博士、日本形成外科学会認定専門医、日本レーザー医学会認定レーザー専門医。日本形成外科学会、日本皮膚科学会、日本美容外科学会、日本レーザー医学会、日本手外科学会、日本創傷外科学会に所属。2018年よりアヴェニュー表参道クリニック院長として、形成外科・皮膚科で学んだ知識と経験を基にわかりやすい説明を心がけ、日々診療を行う。