ライフスタイル
タワマン低層階住まいをバカにされる 不動産のプロが「相手にするな」と言う理由
公開日: / 更新日:
教えてくれた人:姉帯 裕樹
地震大国・日本 実は低層階も人気
あゆみさんのお悩みに対して、「コレカライフ不動産」の姉帯裕樹さんは「相手にしない方がいいですよ」と言い切ります。
「その人たちが低レベルなだけ。親も子も相手にしない方がいいでしょう。それに実は、高層階から低層階に引っ越す方も増えているんですよ。理由は簡単。日本は地震が多いからです」
タワマンは普通のマンションより揺れ方が違う、という話を耳にしたことがありませんか? これは地震対策の建築工法に大きく分けて免震と制震、耐震の3パターンがあり、多くのタワマンでは免震が採用されているからなのだそう。
「多くのタワマンで採用されている免震は、地震の際に大きくゆっくり揺れます。大きな地震では揺れが数十分続いたという話もあり、揺れに弱い方は船酔いのような状態になってかなりつらい思いをしたそうです」
「高層階が高くて低層階は安い」は都市伝説!?
また部屋の価格にしても、高層階が高くて低層階は安いとも限らないそうです。
「ある意味、都市伝説のようなものですね。何千万円もの差がつくわけではないし、ましてや賃貸であればわずか数千円程度の差。高層階だからお金持ち、低層階だからそうではないなんてことは絶対にあり得ないんです。そもそも部屋の価格は、部屋の広さやオプションで決まりますしね。
そうしたことを知らずに低層階の住人を見下す人や、あゆみさんのママ友のようにくだらない攻撃を仕掛けてくる人は、自分自身が物知らずであることを告白しているようなもの。なので、放っておきましょう。それが一番です」
普段のエレベーター待ちやデリバリーの到着時間などを考えても、低層階には十分なメリットがあるといえるでしょう。居住階の上下で相手を判断するなんて、知識や経験のある大人がすることではありません。それを子どもに伝え、いじめの材料にするなんて、聞いている側が悲しくなってしまいますね。ママ友さんたちもこうしたことを知って、親子ともども意味のない行動をやめてくれるよう期待したいものです。
(和栗 恵)
姉帯 裕樹(あねたい・ひろき)
「株式会社ジュネクス」代表取締役。宅地建物取引士の資格を持ち、不動産取り扱い経験は20年以上を数える。独立した現在は目黒区中目黒で不動産の賃貸、売買、管理を扱う「コレカライフ不動産」として営業中。趣味はおいしいラーメンの食べ歩き。