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天気予報はなぜ外れるのか? テレ朝気象デスクが語るその理由 予想にしにくい状況も

公開日:  /  更新日:

著者:柳田 通斉

予報が外れる理由は? 観測地点のない場所も

梅雨前線や秋雨前線は予測がしにくい(写真はイメージ)【写真:写真AC】
梅雨前線や秋雨前線は予測がしにくい(写真はイメージ)【写真:写真AC】

――ただ、予報が外れることもあります。

「それにはいろいろな理由があります。まず気象予報士は、天気図やさまざまな情報を確認できる環境です。湿度、風向き、雨の予想も確認できます。

 すべての予想はコンピュータの計算結果によるものです。仮想の地球を作って実際に観測されたデータを当てはめ、そこから計算式で幾通りもの未来を予想し、最も可能性が高いものが日々の予報として出てきます。

 実際のデータは地球全体で観測したデータを基にしていますが、観測地点のない場所が出てくると、情報の誤差が生じることもあります。それを把握できずに計算を重ねていくと、思わぬ天気予報になることも。最近では、大雨予想のために空気がどれくらい湿っているか、つまり雨のもとになる水蒸気がどれくらいあるのかを可能な限り正確に把握する目的で、湿度の観測地点が増えきています」

――予報しにくい状況はありますか。

「比較的、西から東に変わる天気は予想しやすく、南北に動く梅雨前線や秋雨前線は予想しにくいです。前線は南と北の空気のバランスによってできるのですが、海側には観測地点がほぼありません。そのため、正確な状況を把握しにくいので、前線の位置が予想より南や北にずれることがあります。結果、雨の予報だったのに晴れたり、晴れの予報だったのに曇ったり雨が降ったりすることもあるのです」

予想を外すと申し訳ない思いに…災害時などは特に責任が重い仕事

――予報を外した時の思いは。

「責任を感じます。特に『晴れ』と予報して雨だった場合は、視聴者の方々が濡れてしまうので『申し訳ない』と思いますね。たまにツイッターのリプライ(返信)には『降ったじゃないの』『外れましたね』という声が届きます。実は、天気予報の精度は『70~80%』なのですが、今の時代は『予報は当たって当然』と見られているので、外れた時ほど印象に残るものだと思います」

――ただ、災害時は気象予報士の役割がより大きくなります。

「そうです。気象予報士の使命には『減災』があります。緊急の状況で正確な予報をして、被害をいかに少なくするかです」

――責任が重い仕事ですね。

「日々、プレッシャーはあります。休日でも天気が気になり、自宅でデータチェックをしてしまうのです(笑)。申し訳ないことに、天気予報が外れることはありますが、災害レベルの天気の時にはリスクヘッジと思って情報を入手し、ご自身や家族、友人の方々を守っていただければと思います」

◇手塚悠介(てづか・ゆうすけ)
1982年11月2日、埼玉県出身。中央大学商学部を卒業後、一般企業に就職。「手に職をつけたい」と、未来を予測できる気象予報士に魅力を感じて資格試験受験を決意。2013年3月に資格取得。2014年3月から気象情報会社「株式会社ウェザーマップ」に所属。放送局番組サポート業務の経験を経て、2014年秋からDaiichi-TV(本社・静岡県静岡市)で天気キャスターを3年半務め、「全国好きな気象予報士ランキング1位」に2年連続で輝く。2018年春からは、TBSで番組サポートをしながら番組に出演。現在はテレビ朝日で気象デスクを務め、同局系「スーパーJチャンネル」の土曜日に隔週で出演。特技は英語でTOEIC825点。趣味は映画鑑賞、サイクリング、サッカー。高校時代は、柏レイソルユース青梅でプレー。家族は妻、長女。

(柳田 通斉)