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ニンジンは身近なすごい野菜 吸収率をアップする食べ方や1日の適量は 栄養士に聞いた
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教えてくれた人:和漢 歩実
ニンジンは通年出回りますが、おいしい時期は晩秋から冬にかけて。日本には大きく分けて東洋系と西洋系の2種類のニンジンがあります。ニンジンというと、栄養豊富な野菜の代表で子どもにも食べさせたい食材の一つ。それでは一体、ニンジンに含まれる栄養はどのようにすごいのでしょうか? 栄養士の和漢歩実さんに伺いました。
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ニンジンが日本に伝わったのはいつ?
ニンジンは中東のアフガニスタンが原産で、そこから東と西へ広がったとされています。東に広がったニンジンは東洋ニンジンと呼ばれ、赤い色をして細長い形、西に広がった西洋ニンジンはオレンジ色で太く短い形をしています。
日本にニンジンが伝わったことには諸説あります。16世紀頃に中国より渡来して紅心のものが栽培されるようになったとか、江戸末期に西洋のニンジンが渡来し各地に広まっていったとの見解がありますが、定かではありません。
現在日本で作られているのは、東洋ニンジン、西洋ニンジンに大別されます。元々は甘味が強く色が濃い東洋ニンジンが主流で、代表的な種類に金時ニンジンがあります。しかし、東洋系は栽培が難しく、現在は西洋ニンジンが広く栽培されています。他にも紫や白色、10センチほどの小型種など、さまざまな品種があります。
ニンジンの代表的な栄養と吸収率が高まる食べ方
野菜は可食部100グラムあたりのβカロテンの量で分類されます。600マイクログラム以上含むものが緑黄色野菜、含まないものがその他の野菜です。
ニンジンには6900マイクログラムのβカロテンが含まれています。緑黄色野菜の代表とされるカボチャが3900マイクログラムなので、いかに豊富なのかが分かります。ちなみにカロテンの名は英語の「キャロット」に由来しているとか。まさにニンジンの代表的な栄養といえます。
βカロテンは、必要な時に体内でビタミンAに変換され、皮膚や粘膜を強くし免疫機能を高くするといわれています。寒くなるこの時期に増え始める風邪やインフルエンザの予防が期待できるでしょう。
脂溶性であるビタミンAは、油脂と一緒に摂ることで吸収率が高まります。さらに免疫効果を高めるためには、タンパク質も一緒に摂ると良いでしょう。そこで、ツナ缶と千切りしたニンジンを組み合わせた「ニンジンしりしり」がおすすめです。
○ニンジンしりしり
【作り方】
1. ツナ缶とニンジンを用意する。ニンジンは千切りにする
2. ツナ缶の油をフライパンに引き、足りなければ油を追加する。熱したフライパンでニンジンを炒める
3. ニンジンに油がなじんだら、ツナとしょうゆ、みりんで好みの味付けをして完成
冬の食卓に取り入れてみてはいかがでしょうか。