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抗がん剤治療中にコロナ感染…39歳乳がん患者の症状や治療への影響は?
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「世の女性に乳がんのことを知ってほしい」……そんな思いでこの連載を続けているライターの島田みゆさん。今年2月に乳がん罹患が判明し、3月末には39歳の誕生日直後に右胸の全摘手術を受けました。今回は抗がん剤治療中に新型コロナウイルスに感染してしまったというエピソード。抗がん剤治療中は、たとえ自覚症状がなくても免疫は普段より下がっているとされていることから、コロナ感染を最も懸念していたそうです。感染したことで、体調や抗がん剤治療はどのような影響を受けたのでしょうか。
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抗がん剤治療中だけに…最も懸念していたコロナ感染
抗がん剤治療中は、自覚症状がなくても免疫が普段より下がっていると言われていたので、最も懸念していたのは新型コロナウイルスの感染でした。
ただでさえ、コロナは未知だらけの感染症。感染すると人によって症状も後遺症も違うとされています。抗がん剤で免疫も体質も変わっているのに、もし感染したらどうなってしまうのだろうという心配があったからです。
体調が良いと思える日はなかなか来ず…不安定だった3クール目
私の抗がん剤治療は、全4クール(回)。2クール目までは、投薬から10日も過ぎるとかなり体調が戻り、3週間目には「そうだ! 抗がん剤治療中だった」と思い出すこともあったくらいでした。
ただ、3クール目はそれまでと少し違っていました。回を重ねるごとに薬が蓄積して、副作用が強くなったり、これまでなかった症状が出たりすることもあると聞いていたのですが、投薬後2週間経っても回復せず、体調が良いと思える日はなかなか来なかったのです。
そのため3クール目は、どこかに出かけたり人と会ったりする予定をほぼ入れず、近所へ必要な買い物に行くくらいの日々。これまでの傾向を踏まえて、一番体調が落ち着くであろう“次の治療日直前の休日”に1日だけ、友人と出かける予定を入れていました。
久々に“遊び”と呼べる外出 しかし翌日の夜に高熱が…
ラッキーなことに予定があった日はかなり体調が良く、久しぶりに“遊び”と呼べる外出ができたことに「出かけられて良かった」と喜び、ほっとしていました。
異変が起こり始めたのは、出かけた翌日の夜。どうにも熱っぽく、測ってみると38度近くあります。抗がん剤治療中は体調が悪くなるし、副作用で発熱することもありますが、どう考えてもタイミング的におかしいのです。
「まさかコロナ!? でも症状が出るのは早すぎる気もするし、抗がん剤の副作用が急に出ることもあるのかも……」と思いながら、ひとまず治療中の乳腺外科に相談。すると、「まずコロナの検査をしてもらわないことには何とも言えないので、近くで検査を受けてからまた連絡してください」との返事でした。
それならと、すぐに近所にある数軒の病院に電話してみたものの、ほぼ門前払い。この時期はまさに第7波のピークで、7月28日に東京都が過去最多となる4万人超の感染者確認を発表した他、24日までの1週間あたりの新規感染者数は日本全国でおよそ97万人とWHOが発表し、世界で最も多いと報じられた時でした。
そのため、どこも検査はパンク状態。その日はリストを片手に片っぱしから電話をしても、結局は20軒近くの施設に断られ、体力も気力も尽き果てて断念しました。
ちょうど5日後の4クール目が、最後の抗がん剤治療になる予定。それもあって、私としては最後の抗がん剤が受けられるのか、治療がどうなるのか……そちらの方が気がかりで、一刻も早くコロナの検査を受けさせてほしいと必死でした。