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見学なしのタワマン購入で「騙された!」 嘆くマダムに不動産のプロがピシャリ
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教えてくれた人:姉帯 裕樹
石橋であってもしつこく叩いておいて損はない、それが不動産
不動産業者が見せる写真を鵜呑みにしてしまった麗子さんご夫妻。築17年の物件に関する売買で新築当時の写真を見せる行為は、問題にならないのでしょうか。今回もアドバイスは不動産業界歴20年超のプロ、「コレカライフ不動産」の姉帯さんです。
「新築時の写真であっても、その現場の写真であれば不動産業者に瑕疵はありません。新築時の写真だとどこまで正しく伝えられていたかは分かりませんが、せめてリモート内見であれば現況を見ることができたでしょう。その時に、気になる場所で『そこをもっと見せてください』などと言えたはずです。
ただ不動産購入の際は、大きなお金が動くものですから、必ず現況を見た方が良いと思います。部屋はリフォームでいくらでもきれいになりますが、共用部分についてはどうにもなりませんから。もしかしたら、管理組合がうまく機能していなくて修繕がなされていなかったり、管理人の質が悪く掃除が行き届いていなかったりする可能性もあります」
そこで姉帯さんが挙げる「後からがっかりしないためのチェックポイント」は、大きく分けると以下の3つ。
【後からがっかりしないためのチェックポイント】
1. 必ず現況を確認する
2. 間取りが使いやすいかどうかを確認する
3. 信用できる不動産業者かどうかを確認する
「チェックポイントはいくつもありますが、価格や立地以外で大きく分けるとこの3つです。石橋であってもしつこく叩いておいて損はない、それが不動産ですから」
現況は必ず確認! 自分自身の資産を守る最善の手
ちなみに築10年以上の物件は、業界人から見て“古い”のか比較的“新しい”のか、どちらですか?
「不動産業界にいる者の感覚では、人にもよりますが、10~20年くらいなら古くありません。タワマンであってもなくても、2000年以降に建てられたものであれば“新しい”ですね。ただ、一般の方の中には“古い”と感じる人もいるようなので、業者との齟齬が生まれる可能性はあります。何度も言いますが、現況は必ず確認しましょう。それが、自分自身の資産を守る最善の手になりますよ」
まさに「百聞は一見にしかず」。不動産に限らず高価な買い物をする時は、たとえ手間でも必ず現物を見る……この鉄則は守りたいものです。
(和栗 恵)
姉帯 裕樹(あねたい・ひろき)
「株式会社ジュネクス」代表取締役。宅地建物取引士の資格を持ち、不動産取り扱い経験は20年以上を数える。独立した現在は目黒区中目黒で不動産の賃貸、売買、管理を扱う「コレカライフ不動産」として営業中。趣味はおいしいラーメンの食べ歩き。