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冬の雷は夏より破壊力が大きい 避けるべき行動は 気象予報士が解説
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気象庁が気象官署からの報告をまとめた結果によると、2005~2017年の12年間で落雷害は1540件。そのうち約30%にあたる468件が8月でした。しかし、落雷は冬にも起こることをご存じですか? これは寒冷前線の通過などに伴って発生するもの。冬に起こる落雷の特徴と注意点について、テレビ朝日の気象デスクで気象予報士の手塚悠介さんに解説していただきました。
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雷が発生する積乱雲 冬は背が低いのが特徴
――今夏は夕立ち、落雷が頻繁に起こりました。
「確かにどちらも多かったです。雷は関東地方でもすごく鳴っていましたが、例年通り7~9月が頻繁で、10月からは落ち着いてきました」
――そもそも、雷が起こるシステムはどういうものでしょうか。
「簡単に言うと静電気で、積乱雲から発生します。積乱雲はとても背の高い雲です。雲の中に氷の粒ができると、ぶつかり合って静電気が発生します。粒は小さいものが上に、大きいのが下に溜まり、マイナスに帯電するものとプラスに帯電するものができてきます。そして、雲の上(プラス)、雲の下(マイナス)、地上(プラス)の仕組み、すなわち三極構造ができると地上に雷が落ちるのです」
――積乱雲は夏のイメージが強いのですが。
「積乱雲とは夏に見られる、いわゆる入道雲が発達したもので、背の高さは7キロ~15キロほど。ただ、北海道や日本海側では冬季にも積乱雲が発生します。その理由は、日本海を流れる対馬海流の暖かい海面から水蒸気が盛んに供給され、そこにシベリアからの冷たい空気が流れ込むことで空気が冷やされ、雲が発生することです。背が低いことが特徴で、高さは4キロから7キロ程度。夏の入道雲のような見え方とは少し違うかもしれません」