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冬の雷は夏より破壊力が大きい 避けるべき行動は 気象予報士が解説
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寒冷地に発生 昼夜問わず放電時間が長い「一発雷」
――ということは、北海道や日本海側の寒冷地では、冬にも雷が落ちるということですね。
「はい。夏の雷は夕方に発生することが多いですが、冬は昼夜問わず発生しやすく、時間的な特徴がありません。また、放電時間が長く、エネルギーが非常に大きい。『一発雷』とも呼ばれ、一発の破壊力が大きいという特徴もあります」
――音のスピードは秒速340メートル。光が見えた後、しばらく経って音が鳴ることもあります。「ピカッ」と雷を感じた時点に何をすべきですか。
「頑丈な建物に逃げるのが一番良いです。車、電車内も安全です。仮に落ちたとしても、車体やタイヤを通って地面に放電しますので」
――車で移動中でもですか。
「運転していても問題はありません。実際に落ちたら、驚いてはしまいますが」
雷は突起物目がけて落ちる性質が 傘や釣り竿に要注意
――避けるべき行動は。
「屋外での雨宿りです。例えば、ゴルフのプレー中は木の下で雨宿りをしがちですが、それが一番危険です。側撃の可能性があります。そばの木に落ちた電気が体に入ることで落雷を受けてしまうと、亡くなることもありますし、重体になったり、重度の火傷を負ったりすることもあります」
――金属に反応するという説がありました。例えば、金歯、銀歯、ベルトに落ちるなど……。
「以前は一般的にそう考えられていましたが、現在は『根拠がない』とされています。落雷で亡くなった方などが身に着けていた金属が溶けていたことから、誤解が生まれたと分かったからです。
一方で、傘を差していたり、釣り竿を持っていたりなど、自分より背の高いものを手にしているととても危険です。『避雷針』があるように、雷は突起物目がけて、より高いものに落ちる性質があります。ゴルフ場では平面に1人で立っている状況も多くありますし、非常に危険なので、すぐにクラブハウスや小屋、茶屋に避難してください」
1982年11月2日、埼玉県出身。中央大学商学部を卒業後、一般企業に就職。「手に職をつけたい」と、未来を予測できる気象予報士に魅力を感じて資格試験受験を決意。2013年3月に資格取得。2014年3月から気象情報会社「株式会社ウェザーマップ」に所属。放送局番組サポート業務の経験を経て、2014年秋からDaiichi-TV(本社・静岡県静岡市)で天気キャスターを3年半務め、「全国好きな気象予報士ランキング1位」に2年連続で輝く。2018年春からは、TBSで番組サポートをしながら番組に出演。現在はテレビ朝日で気象デスクを務め、同局系「スーパーJチャンネル」の土曜日に隔週で出演。特技は英語でTOEIC825点。趣味は映画鑑賞、サイクリング、サッカー。高校時代は、柏レイソルユース青梅でプレー。家族は妻、長女。
(柳田 通斉)