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戸田恵梨香が「理解し難い」女性に挑む 目の輝きを失っていく姿が衝撃的な『母性』

公開日:  /  更新日:

著者:関口 裕子

(C)2022映画「母性」製作委員会
(C)2022映画「母性」製作委員会

 子役時代の2000年、NHK連続テレビ小説「オードリー」に出演。その後、俳優としての活動を本格化させ、人気ドラマや映画に次々と登場した戸田恵梨香さん。2019年にはNHK連続テレビ小説「スカーレット」のヒロインを演じました。そうして持ち前の“強さ”を反映させながら、あらゆる役柄を見事に演じている戸田さんですが、今回の主演映画『母性』は「大変だった」と語ったそうです。作品のテーマはタイトル通り、女性にとっては知らずのうちに直面する“難問”といえる「母性」。「演じる者のメンタルをえぐりながら完成した」作品と語る映画ジャーナリストの関口裕子さんに、じっくりと解説していただきました。

 ◇ ◇ ◇

女性に人気の「イヤミス」とは? ジャンル“女王”の作品を映画化

「イヤミス」とは、「読むと嫌な気分になる、後味の悪いミステリー」とのこと。最初は「そんなミステリー、読む人がいるの?」と思ったが、どうやら逆のようだ。

 本来、ミステリー小説には、謎解きの“知”と犯罪が持つおぞましさを意味する“血”がある。だが識者によると、読者層拡大を狙うミステリー界は、徐々におぞましさの“排除”へ向かったそうだ。でもやっぱり“知” と“血”の両方が備わってこそ、ミステリーは魅力的。そう考えるファンと作家によって、ふり幅も大きく復活したのが“イヤミス”と呼ばれる作品群だという。

 イヤミスのファンには「女性が多い」と言うのは、あるイヤミス関連編集者。「誰もが密かに抱えている、ドロドロと鬱屈した感情。でもイヤミスを読むと、そんな感情を持つのは自分だけではない」と安心するのだとか。「実生活では、態度や言葉には出さないものの、負の感情があるのは分かるし、他人の不幸は楽しい」のだと、読者の小説に対するリアクションを少しだけ教えてくれた。

 そんなイヤミスというジャンルの“女王”と称される作家といえば、湊かなえ。自身は「イヤミスを書こうと意識はしていません。でもこうした嫌な状況を突き抜けたらどうなるかを考えながら書くのは楽しいですね(笑)」と語る。

 でも現在(2022年11月24日現在)、アマゾンで「ミステリー・サスペンス・ハードボイルド」ジャンルの第1位が湊かなえの「母性」(新潮文庫刊)である事実を考えれば、確かに“イヤミス”ファン、人の心に潜むダークサイドにじっくりハマりたいと考える人は増えているのかもしれない。

娘を愛せない母に戸田 母に愛されたい娘に永野

 その「母性」が、戸田恵梨香、永野芽郁主演、廣木隆一監督で映画化された。映画『母性』は、大きな家の庭で首に縄を括りつけた女子高校生が発見される事件から始まる。その真相を巡り、娘を愛せない母と、母に愛されたい娘が告白する。

 同じ出来事を回想しているはずの2人なのだが、話は微妙に食い違っていく。やがて2つの告白がたどり着いたのは正反対の真相。このことが伝える事実とは何か?

(C)2022映画「母性」製作委員会
(C)2022映画「母性」製作委員会

 母親ルミ子を戸田恵梨香が、娘の清佳を永野芽郁が演じる。この話、母娘2人の間では終わらない。ルミ子が娘を愛せないのは、自分自身が娘でいたいから。料理や裁縫に才能を発揮する心優しい母(大地真央)の愛を、一身に受けたいと願っているルミ子。ただルミ子の母は、孫である清佳のことも心から愛している。それがルミ子の気に障るのだ。

 外見を姉妹のように母に寄せるルミ子は、母のように誰からも愛されて生きたいと思っている。しかし予想外のことに、ルミ子は夫の義母(高畑淳子)から、強烈な嫌がらせを受けることに。母のように生きたいだけなのにそれが叶わない。ジレンマは娘の清佳に向けられる。

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