漫画
「泣かないで読み切った人類はいない」 結婚した息子の成長物語 母の漫画に3万人号泣
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子どもは生まれた瞬間から子どもですが、育てる立場の大人はどうでしょう? 子の成長を見守る過程で“親になっていくこと”もまた、成長の一つと言えますよね。8年前にガンが見つかり、現在も自宅療養中の母。漫画という自己表現方法を見つけてから、闘病生活や日常のエピソードなどをたくさん綴っています。最近話題になったのは、結婚した息子さんのこれまでを振り返る作品。「息子と母親ってきっとこういうもの」という思いで描かれた作品はツイッター上で3万件超の“いいね”を集め、大きな話題を呼んでいます。作者のKAKO(@isinnkodesu)さんにお話を伺いました。
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思春期は地獄絵図!? その後は母がガンに…息子さんの成長を漫画に
57歳のKAKOさんは、芸術家の配偶者さんと社会人4年目の息子さん、高校生の娘さんの4人家族。8年前に肺と咽頭、食道にガンが見つかり、現在は在宅医療中です。ガンを患ってからは、「どこか気持ちを表現ができる場所はないか」と試行錯誤。そして6年前、漫画という手法に出会ったそうです。
KAKOさんの作品は、家族との日常や闘病生活といった実体験がテーマ。コミカルな表現を交えつつ、繊細な感情を丁寧に描く作品は、読む側に“家族の絆”や“生きるということ”を静かに伝えてくれます。今回話題になった作品も、母親の立場から見た息子さんの成長という内容。出生時から幼少期、思春期を経て“大人”になっていく姿を、数々のエピソードとともに綴ったものです。
息子さんは1997年生まれ。0歳から小学生までの姿は、何と頭に2本のツノが生えた小鬼ちゃんとして描写されています。赤ちゃん時代は言葉も通じなかったのに、少し成長するとトイレにまでついてくる甘えん坊に。プレゼントをあげてもすぐに飽きて、おまけにすぐ泣く。小学生になると言うことを聞かず、約束も守れない……男の子を育てた経験のある人なら、「うんうん」と深く頷いてしまうエピソードの連続です。
そんな小鬼ちゃんが人間の姿になるのは、中学時代。「思春期は地獄絵図」というサブタイトル通り、息子さんは誕生日を迎えたKAKOさんにわざと嫌なことを口にします。それでも、KAKOさんが中学校の運動会をこっそり見に行くと、家では見たことのないような笑顔が! まだ組体操があった時代で、懸命にがんばっている姿も見ることができました。
しかし、その後にKAKOさんのガンが判明。高校3年生になっていた息子さんは、破ったノートで折った鶴を渡してくれました。そして、涙ながらに「できるだけ長生きしてください」の言葉も……。その言葉で、KAKOさんの人生は「ちょっと変わった」そうです。「あなたに嫌われているわけじゃなかった。死んでたまるか!」と。
社会人になった息子さん そして迎える新たな旅立ち
そして社会人になった息子さんは、妹さんと協力して、KAKOさんの誕生日にお花とケーキを用意してくれました。けれど、自転車で持ち帰ったせいで、ケーキがぐしゃぐしゃになっていたという笑い話も。そうしていつも、息子さんから大きな幸せをもらってきたKAKOさん。そんな息子さんもついに、大切な人生のパートナーを見つけます。
「幸せな家庭を、心から願って」……この漫画は、息子さんの結婚式と前後して描かれたものでした。そのためラストは、息子さんご夫妻の幸せを心から祈る、すばらしいお祝いのメッセージで締めくくられています。
胸に染みるとはまさにこのこと! そう思える作品は、ツイッター上で3回に分けて発表され、合わせて3万件超の“いいね”を集めました。リプライ(返信)には「息子くん、おめでとう。KAKOさん、おめでとう」「息子さんのご結婚、本当におめでとうございます」「うわあああ!!!!! 泣ける泣ける泣ける!」「泣かないで読み切った人類はいない」など、祝福と感動の声が殺到しています。
また「いろいろ思い出し、少し泣けました」「まだ1歳の息子にKAKOさんの息子さんの姿を重ねてしまい、今ぼろぼろと号泣しています(笑)」「痛いほど分かる漫画です。我が家は上2人が成人しました」「まだ6歳の娘もあっという間に大きくなるんだろうな」など、我が子のことを考えたという声もたくさんありました。