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冬のホウレン草 夏よりもビタミンCが多く甘味も上 気になる栄養価と保存のコツは?

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:和漢 歩実

冬採りホウレン草は何がすごい? 夏採りとの違いは

ホウレン草のお浸し(写真はイメージ)【写真:写真AC】
ホウレン草のお浸し(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 ホウレン草は「緑黄色野菜の王様」として知られています。βカロテンをはじめ、ビタミンCとB群、鉄、カリウム、カルシウムなどのミネラル、食物繊維が豊富です。冬のホウレン草は特に甘味が強く、これは一般的に、野菜が寒さで凍らないように糖分を蓄えるためだといわれています。

 日本食品標準成分表2020年版(八訂)には、ホウレン草の栄養価は「夏採り」と「冬採り」で別個に掲載されています。100グラム(生)あたりの主な栄養価をそれぞれ比較してみましょう。

○エネルギー
夏:18キロカロリー
冬:18キロカロリー

○βカロテン
夏:4200マイクログラム
冬:4200マイクログラム

○ビタミンC
夏:20ミリグラム
冬:60ミリグラム

○鉄
夏:2.0ミリグラム
冬:2.0ミリグラム

○食物繊維
夏:2.8グラム
冬:2.8グラム

 以上から、異なるのはビタミンCの量であることが分かります。夏採りの20ミリグラムに対し、冬採りは60ミリグラムと3倍です。これはミカン(32ミリグラム)の約2倍でもあります。

 ビタミンCはコラーゲンの合成には必須の栄養素。抗酸化作用もあり、免疫機能を高める効果が期待できます。これからの寒くなる季節、肌荒れや風邪予防にも積極的に摂りたい栄養素の一つです。

 ただしホウレン草は、結石の原因にもなるシュウ酸(アク)を含むため、ソテーする際にも下茹でを忘れずに。沸騰した湯に塩を入れて1~2分加熱し、水にさらすとほとんどが流出します。栄養豊富な旬の季節、上手においしくいただきましょう。

(Hint-Pot編集部)

和漢 歩実(わかん・ゆみ)

栄養士、家庭科教諭、栄養薬膳士。公立高校の教諭として27年間、教壇に立つ。現在はフリーの立場で講師として食品学などを教える。現代栄養と古来の薬膳の知恵を取り入れた健やかな食生活を提唱。食を通して笑顔になる人を増やす活動に力を注いでいる。
ブログ:和漢歩実のおいしい栄養塾