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眼圧が上がりやすい冬 目の“サイレントキラー”に注意を 医師が解説
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冬に増える急性緑内障 誰もが発症するわけではない
気温が低下する冬は、眼圧が上がります。眼圧が高い状態で長い間放っておくと、視神経などがダメージを受け、それが原因で「緑内障」につながることも。
ただし、インターネット上に「冬は『急性緑内障』が増える」といった情報もありますが、これは誰でも発症する危険性があるというわけではありません。急性緑内障は「閉塞隅角緑内障」が進むと起こりやすく、高齢の方に多いケースです。
眼の中は房水と呼ばれる水で満たされ、その作られる量と排出する量が保たれることで正常な眼圧になります。閉塞隅角緑内障は、その排水をコントロールする隅角という部分が狭くなった状態(狭隅角)です。急性緑内障はここが完全に閉じてしまい、眼圧が上がりすぎてしまうことで発症します。
症状としては、目の奥が締め付けられる激しい痛みや嘔吐、吐き気、かすみ目などです。放っておくと一晩で失明してしまうこともあるため、目の奥が痛んで頭痛を伴う時は、すぐに眼科へ行くことをおすすめします。
現在、国内の緑内障有病者は、40歳以上で20人に1人といわれています。緑内障は“目のサイレントキラー”とも呼ばれ、中途失明原因の1位です。
そのため、40歳を過ぎたら季節にかかわらず、定期的な検査を受けましょう。眼圧の計測は1~2か月に1回、OCT検査(眼底三次元画像解析)は3か月に1回、視野検査は1年に1回程度を目安にしてください。健康診断で「視神経乳頭陥凹拡大」や「眼圧」と書かれていた場合は、必ず早めに眼科を受診しましょう。
埼玉医科大学卒業後、埼玉医科大学付属病院眼科学教室研修医、助手として勤務。1993年に「かわごえ眼科」を開業。現在は1999年に開業した「中目黒眼科」で院長を務める。息子は男性総合格闘家として活躍するYUSHI。
(Hint-Pot編集部)