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10体の仏像が宙に 「令和時代の阿弥陀来迎」に大反響 制作者が語る目標とは

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

手動操作だった第1~3世代 数や見た目が次々に変化

2018年に作られた“第1世代”【写真提供:三浦耀山(@biwazo)さん】
2018年に作られた“第1世代”【写真提供:三浦耀山(@biwazo)さん】

 こうして2018年に作られた“第1世代”は、阿弥陀如来1体から挑戦。ドローンは大きめで機械的な部分が目立ちますが、これもまたテクノロジーとの融合を感じさせる味があります。

2019年の“第2世代”。左から観音菩薩、阿弥陀如来、勢至菩薩【写真提供:三浦耀山(@biwazo)さん】
2019年の“第2世代”。左から観音菩薩、阿弥陀如来、勢至菩薩【写真提供:三浦耀山(@biwazo)さん】

 翌2019年の“第2世代”は、スマートな見た目の阿弥陀如来と観音菩薩、勢至菩薩の3体が並んだ阿弥陀三尊形式に。ドローンの大きさは“第1世代”よりも小さくなり、雲の装飾を施すなど印象をがらりと変化させました。

2021年の“第3世代”。5代のドローンで7体が飛行【写真提供:三浦耀山(@biwazo)さん】
2021年の“第3世代”。5代のドローンで7体が飛行【写真提供:三浦耀山(@biwazo)さん】

 その2年後の2021年には、“第3世代”として阿弥陀如来と菩薩6体を5台のドローンに乗せて飛ばしました。“第2世代”を踏襲した進化を感じる豪華な編成ですが、ここまでは各ドローンを1台ずつコントローラーで操作していたそうです。

とうとうプログラミングによる自動の編隊飛行に成功

今回の“第4世代”。史上初の編成飛行を待つ様子【写真提供:三浦耀山(@biwazo)さん】
今回の“第4世代”。史上初の編成飛行を待つ様子【写真提供:三浦耀山(@biwazo)さん】

 今回の“第4世代”のすごいところは、三浦さんの悲願だったプログラミングによる編隊飛行です。しかも阿弥陀如来と菩薩9体という10体の大所帯。fly株式会社(東京都目黒区)の協力のもと、阿弥陀如来はコントローラーで操作しつつ、9体の菩薩はプログラミングによって自動で動かすことに成功しました。

 また、100グラム以下の小型ドローンを使用したため、素材や見た目にもさまざまな工夫が。まず、一般的に仏像の多くは木でできていますが、重くてとても飛ばすことができません。そこで行き着いたのが、木で仏像を作った後、3Dプリンターを使用し、合成樹脂のUV硬化レジンで出力するという制作方法。内側に仕込まれたLEDライトが半透明のボディを通して光り輝き、より神秘的に見えるという効果もありました。

 また、“第2世代”と“第3世代”はスマートな見た目の仏様でしたが、“第4世代”の菩薩9体はとても愛らしい見た目をしています。

「阿弥陀如来は直線的に動かすだけなので、スマートな形でも問題なかったのですが、一方の菩薩様は空間を動き回るため、高さのあるスマートな姿形だと空気抵抗を受けやすいという懸念がありました。空気抵抗を受けるとドローンが安定しないため、失敗の可能性が高いと判断。そこで、安定感のあるかわいらしい造形にしました。阿弥陀如来は原型を彫るのに3週間、菩薩様は1週間程度だったと思います」