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餅は本当に「太りやすい」のか お正月は食べる順番に注意 白米とどちらが低カロリー?
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教えてくれた人:和漢 歩実
餅はなぜ「腹持ちが良い」といわれる? でんぷんの種類に違いが
餅の原料になるもち米は、うるち米に比べて粘りが強いのが特徴です。その理由はでんぷんの種類の違いにあります。
ごはんとして食べるうるち米のでんぷんは、ブドウ糖がまっすぐに結合したアミロース(20%)とブドウ糖が枝分かれして鎖状に結合したアミロペクチン(80%)で構成されています。
一方、もち米は、アミロペクチンが100%。枝分かれして鎖状に結合していることにより粘りが強く、一般的に消化吸収に時間がかかります。このため餅は腹持ちが良いといわれているのです。
古くから伝わる漢方や薬膳の食養生では、「もち米は患部に熱を持つ、便を硬くする」などといわれています。できものがあったり、便秘気味だったりする時は、避けた方が良い食材の一つ。特に胃腸の弱い人はほどほどに。食べすぎは良くありません。
太りにくい餅の食べ方 肉や野菜などとバランス良く
餅を食べると太りやすいとされるのは、ごはんに比べて食物繊維が少なく、血糖値が上がりやすいのが理由の一つでしょう。血糖値の急上昇は、体に脂肪を溜め込みやすくなり、さらに太りやすくなります。
さらに餅はごはんと違い、おかずがなくとも単品でおいしくいただくことができるのも、太りやすいとされる理由といえます。結果、餅だけをたくさん食べることになり、加えてしょうゆ砂糖やあんこなどをトッピングして楽しめば、カロリーはさらに上昇。また炭水化物中心の食事になるため、太りやすくなるだけではなく、栄養バランスが偏ってしまいます。
お正月なら、餅を食べる順番に気を配りましょう。野菜などの具材が入った雑煮や、紅白なますやお煮しめなどの野菜を中心としたおせち料理をいただいた後にすると、血糖値の急上昇を防ぐことができます。
またお正月後も餅を食べる機会が多いと思います。その際も単品で食べるより、肉や野菜などと一緒にバランス良く食べる方が、太りにくい食べ方になります。
(Hint-Pot編集部)
和漢 歩実(わかん・ゆみ)
栄養士、家庭科教諭、栄養薬膳士。公立高校の教諭として27年間、教壇に立つ。現在はフリーの立場で講師として食品学などを教える。現代栄養と古来の薬膳の知恵を取り入れた健やかな食生活を提唱。食を通して笑顔になる人を増やす活動に力を注いでいる。
ブログ:和漢歩実のおいしい栄養塾