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煮物が増える冬 ゴシゴシ洗いがNGな鍋は 掃除のプロが伝授
公開日: / 更新日:
教えてくれた人:伊藤 まき
煮物や煮込み料理など鍋を使う頻度が高まる季節に、気になるのが鍋の焦げ付き。ステンレスたわしでゴシゴシやってしまって、気づいた時には鍋がボロボロになっていた、なんて失敗をしたことはありませんか? 掃除のプロでもある整理整頓アドバイザーの伊藤まきさんが、プロの視点でお掃除の“NG”をレクチャーするこの連載。今回のテーマは「焦げ付いた鍋の洗い方」です。
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洗う前に確認を 洗剤は使える? 急冷はNG!?
うっかり焦がしてしまったお鍋。むやみに洗ってしまう前に覚えておきたいのは、鍋の材質によって洗う方法が違うということ。まずは、鉄か、土鍋か、それ以外かで判断すると分かりやすいでしょう。
鉄鍋が焦げ付いてしまった場合は、天然素材のたわし(ヤシ、竹など)を使ってゴシゴシ洗います。天然たわしで汚れが落ちない場合はスチールウール製のたわしを使います。鉄鍋で最も大切なのは、洗剤を使用して洗ってはいけないということ。せっかく育てた鉄鍋が台無しになってしまうので避けたいところです。
土鍋は、まず冷えるのを待ちましょう。急激な温度変化に弱いので、鍋が熱いうちに水を入れてしまうと、ヒビが入ったり割れたりする原因になるので要注意です。洗剤はごく少量を使い、素早く洗い流すのがコツ。焦げ付きを落としたい場合は、ぬるま湯を入れて少し時間を置き、焦げ付きを浮かせてからスポンジで落とします。長時間水に浸けないように気をつけましょう。
それ以外の鍋として、ステンレス製やアルミ製の鍋をお使いの方も多いと思います。余熱があるうちにぬるま湯に浸け、汚れを浮かせてからスポンジに台所用中性洗剤を付けて洗いましょう。ゴシゴシ洗いはNGです。頑固な焦げ付きがある場合は、鍋に水を入れて再加熱し、汚れを浮かせてからナイロンたわしで落とします。ステンレス製の鍋の場合は重曹を、アルミ製の鍋の場合はお酢を入れて加熱するときれいになります。
ちなみに気をつけたいのが、ホーローやテフロンの鍋。急冷・急加熱はNGです。熱いまま水をかけると劣化を早めてしまいます。もちろん、空焚きもNG。必ず、メーカーが発信している「お手入れの仕方」を確認しましょう。
乾かし方も覚えておけば、お鍋が長持ち! 材質を統一しても
さらに乾かし方も押さえておくと、鍋が長持ちします。こちらも鍋の材質の種類によって違うのでチェックが必要です。例えば、鉄は加熱しますが、鋳物は空焚き禁止など。適した洗い方と乾かし方で、鍋は焦げ付きにくくなり、手入れしやすくなります。
さまざまな材質の鍋が増えた現代。材質ごとの手入れを手間に感じる場合は、家で使う鍋類を自分が最も扱いやすいと感じたもので統一するのも一つの手です。ちなみに我が家では、鍋はステンレス製で統一しています。こうして統一しておくと、洗い方や手入れを一つ覚えれば良いだけなので、失敗せずに済みますよ。
(和栗 恵)
伊藤 まき(いとう・まき)
整理収納アドバイザー1級、クリンネスト2級。ホテル清掃員や国鉄系レストランの厨房、内装会社、デパートの搬入搬出などで経験を積み、出版社に入社したのち独立。掃除しながら片づける「整理収納のプロフェッショナル」として各種ウェブメディアで記事を手がけ、掃除本の編集ライターとしても活躍中。
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