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シミがついたカーテンやソファ NGケアにご注意を 掃除のプロが伝授

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:伊藤 まき

大型ファブリック類に汚れがついた時の対処法とは(写真はイメージ)【写真:写真AC】
大型ファブリック類に汚れがついた時の対処法とは(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 家のカーテンやラグ、テーブルクロスやソファなどのシミや汚れ。とりあえず水で濡らした布で拭くなど、つい同じ対処をしていませんか? 日々使っている大型の布製品(ファブリック類)は、衣類とは違って頻繁に洗濯できるものではないので、汚れがあればしっかりと対処しておきたいところ。掃除のプロでもある整理収納アドバイザーの伊藤まきさんが、プロの視点でお掃除の“NG”をレクチャーするこの連載。今回のテーマは「ファブリック類の汚れ対処法」についてです。

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汚れたらすぐ落とすが最低限のコツ まずは原因の把握から

 カーテンやソファ、テーブルクロスなど家庭で使用している布製品に汚れがついてしまった時、とりあえず、水を含ませ絞った布で拭き取る「水拭き」で対処していませんか? 手軽に洗えるものではないので、つい慌てて同じ対処法をしてしまいがちですが、これは正解でもあり、正解でない場合もあります。

 お部屋のファブリック類の汚れやシミの対処方法は、洋服の汚れと同じ。まずその原因を確認することが大切です。特に調味料のような油分が入っていて色が濃い液体の場合、また泥の場合は、いきなりの水拭きはNGとなります。以下、具体例を挙げていきましょう。

○水性のもの、少量の油が入っているもの
 コーヒーや紅茶、酒など油分が入っていない水性のものが原因の場合は、水気を含ませて絞った布で拭き取ります。牛乳やココアなど少量の油分が入っているものは、ぬるま湯で絞った布で拭き上げましょう。

○調味料など色が濃い油分を含む液体
 しょうゆやソース、赤いインク、墨汁など濃い色合いで、かつ油分を含む液体が原因の場合は、いきなり水拭きするのはNG。まず乾く前にティッシュペーパーなどで拭き取ります。その後、中性洗剤を溶かしたぬるま湯を含ませた布で拭き取ります。シミが残ってしまった場合は、乾いた布にアルコールやベンジンをつけ、ポンポンと叩いてシミを移し取りましょう。

○泥
 お子さんが遊んで帰ってきて、泥がついたままの服でソファへ――といった時の泥汚れ。慌てますが、水拭きしてはいけません。まずは、しっかり乾くまで待ちましょう。乾いたら、やわらかいブラシでブラッシングをして汚れを落とし、細かい砂は掃除機で吸い取ります。どうしても汚れが残ってしまったら、中性洗剤を溶かしたぬるま湯を含ませた布で拭き上げます。

 布で拭き取る際に、ついゴシゴシ、グイグイとやってしまうのですが、これはNG。結果的に汚れを広げてしまいます。布で拭き取る際はポンポンと叩きながら、汚れを布に移すようなイメージで拭き取ってください。泥以外の汚れは、すぐに対処すればシミになりにくいので、後回しにしないのが鉄

洗浄機材や外注も選択肢の一つ

 もし年末に向けてカーペットやソファなど面積が広いものをきれいにしておきたい際は、水洗いができない布製品などの洗浄ができる「家庭用リンサークリーナー」や、手持ちの掃除機の先端にセットして使うと、水を噴射して汚れと一緒に吸引してくれる「水洗いクリーナーヘッド」と「専用洗剤」の使用も便利です。レンタルもあるので、気になる場合は活用してみては。

「自分でやるのはハードルが高い!」と感じたら、ソファやマットレスなどの訪問型クリーニングに依頼するのも選択肢の一つ。汚れの状態や依頼する会社にもよりますが、およそ4000円からでお願いできるので、プロに頼んでしまうのもおすすめです。

 毎日使用するファブリック類は、目に見えるシミよりも深い汚れがあることも。すでに何年も使っているようなら、機材やプロの手を活用して徹底的に汚れを落としてみるのも良いでしょう。

(Hint-Pot編集部)

伊藤 まき(いとう・まき)

整理収納アドバイザー1級、クリンネスト2級。ホテル清掃員や国鉄系レストランの厨房、内装会社、デパートの搬入搬出などで経験を積み、出版社に入社したのち独立。掃除しながら片づける「整理収納のプロフェッショナル」として各種ウェブメディアで記事を手がけ、掃除本の編集ライターとしても活躍中。
インスタグラム:maki_organize