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からだ・美容

子どものクセ毛 縮毛矯正でストレートにするのはあり? 注意するべきポイントとは

公開日:  /  更新日:

著者:岩淵 美樹

教えてくれた人:佐藤 卓士

子どもが縮毛矯正をかけたいと言ってきたら、どうすればいい?(写真はイメージ)【写真:写真AC】
子どもが縮毛矯正をかけたいと言ってきたら、どうすればいい?(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 子どもの髪がうねって絡まりやすく、朝の支度に時間がかかる。友達はサラサラのストレートなのに、うちの子だけチリチリしてかわいそう……。大人だけでなく、子どもにとっても髪は見た目の印象を左右する大切な要素です。だからこそ、親子で悩んでいるという人も多いクセ毛問題。気になっているけれど、正解がどうも分からないという健康や美容の疑問を医師が解説する連載。今回は「クセ毛」をテーマに佐藤卓士医師に伺いました。

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ホルモンバランスや生活習慣の乱れといった後天的な要因も

 生まれた時から髪がクルンと巻いたようなお子さんもいますし、小学校高学年くらいから急に髪がうねり出すということもあります。両親のどちらかがクセ毛の場合は、遺伝する可能性が高いといわれています。

 遺伝以外で考えられる原因としては、成長過程での毛根や毛穴の変形、ホルモンバランスの乱れ、ストレス、生活習慣の乱れ、髪へのダメージです。大人の場合は加齢も原因の一つ。

 子どもは思春期が終わるまで、体が未熟な状態です。以前、子どもは肌が未熟でバリア機能が弱いというお話をしましたが、頭皮や髪の毛も成長途中で未発達。頭の大きさも変わっていきますので、成長過程において毛穴の形も変わっていくことがあります。幼児期は直毛だったのに、10歳頃から髪がうねるようになった、中学生になったらパーマをかけたようになったというのはよくあることです。

 遺伝要素を持っていても子どもの髪はやわらかく、ハリ・コシがないのでクセがはっきりと出ていない場合もあります。思春期が終わり、大人の体に成長すると髪もしっかりとしてきてクセがくっきりと出てくるので、突然現れたように感じるかもしれません。

 また、髪をばっさり切ったらうねるようになったという話も聞きますが、それはクセが現れた時期とカットした時期が偶然一致しただけで、髪を切ったことによりクセ毛になるわけではありません。

髪内部のタンパク質が不均一になっていることで髪がうねる

1本の髪の毛の構造【画像:イラストAC】
1本の髪の毛の構造【画像:イラストAC】

 1本の髪は3つの部分で構成されています。中心部はメデュラ、中間部はコルテックス、外側はキューティクルといいます。

 髪の約9割を占めるコルテックスは、2種類のタンパク質繊維の束でできています。この繊維の束が均一に並んでいればストレートヘアになりますが、ばらつきがあると髪がゆがんだり、ねじれたりするクセ毛になります。また、毛髪内部の主成分であるタンパク質結合が崩れることでも髪のうねりが発生します。

 髪の断面図を見ると、直毛はきれいな円になっていますが、クセ毛は楕円やいびつな形をしています。これはコルテックス内の繊維分布が不均一になっているからです。