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からだ・美容

子どものクセ毛 縮毛矯正でストレートにするのはあり? 注意するべきポイントとは

公開日:  /  更新日:

著者:岩淵 美樹

教えてくれた人:佐藤 卓士

髪が未発達な子どもの縮毛矯正はよく考えてから行って

 遺伝によるクセ毛をまっすぐにすることは、残念ながら現状では不可能です。薬剤や熱によって一時的にまっすぐにのばすしかありません。

 しかし、医師の立場からすると、成長過程にある未発達な髪に薬剤や高温の熱を加えることは、あまりおすすめできません。縮毛矯正は巻き髪にするパーマと同じこと。薬剤(パーマ液)を髪に塗布し、アイロンで熱を加えてまっすぐに伸ばしていきます。

 薬剤による刺激で頭皮の乾燥やフケ、かぶれ、アレルギーが起こることもあります。刺激臭がしますので、吸い込むとのどや目が痛くなることも。いずれも一時的なもので、後遺症になるほどのことはありませんが、デメリットではあります。

 縮毛矯正はクセ毛を根本的に改善するものではなく、今生えている髪をまっすぐにのばしているだけなので、新しく伸びてきたところはうねっています。ですから一度、縮毛矯正をすると定期的にかけることになり、薬剤や熱によるダメージが繰り返され、髪がもろくなることもあるので注意したいところです。

 ただ、小学生や中学生の多感な時期は、周囲の目が気になるでしょうし、心ない一言に傷付くこともあるでしょう。親が気になるからではなく、お子さんがどう思っているのかをきちんと聞いた上で、縮毛矯正も対処法の一つとして考えてはいかがでしょうか。

 ちなみにストレートパーマは、熱を加えずパーマ液だけで髪を伸ばす方法です。クセの度合いによってどんな方法でカバーできるかを、髪の専門家である美容師さんに相談するのもいいでしょう。

食事や生活習慣の見直しで改善されることも

 食事の偏りや、睡眠不足など生活の乱れによって髪がうねることもあります。脂っこい食事は避け、髪の主成分であるタンパク質を多く含む食品を積極的に摂ることも改善策の一つです。睡眠不足やストレスも血行不良を起こし、髪の健やかな成長を妨げるので、生活習慣を見直すことも大切です。

 汚れが落とし切れていないなど頭皮環境の乱れもクセ毛の原因に。毛髪内部の水分バランスが乱れていてもうねりが起こるので、乾燥も大敵です。正しいヘアケアを心がけることも改善につながります。

 遺伝の場合はサラサラのストレートになることは期待できないのですが、遺伝以外の原因の場合は生活習慣やヘアケアを見直すことで、クセが目立たなくなり扱いやすくなるでしょう。

(岩淵 美樹)

佐藤 卓士(さとう・たかし)

1970年4月7日生まれ。九州大学医学部卒。岡山大学医学部、杏林大学医学部、都立大塚病院形成外科にて研鑽を積む。医学博士、日本形成外科学会認定専門医、日本レーザー医学会認定レーザー専門医。日本形成外科学会、日本皮膚科学会、日本美容外科学会、日本レーザー医学会、日本手外科学会、日本創傷外科学会に所属。2018年よりアヴェニュー表参道クリニック院長として、形成外科・皮膚科で学んだ知識と経験を基にわかりやすい説明を心がけ、日々診療を行う。