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ユズのビタミンC 果皮は果汁の4倍にも 冬至に欠かせない果実の優れた栄養素とは
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教えてくれた人:和漢 歩実
2022年の冬至は12月22日。冬至といえば「ユズ湯」に入る習わしがありますが、これは古くからユズの効能に注目されてきたから。酸味が強いためそのまま食べることはありませんが、栄養たっぷりの果実。果皮の栄養効果も高いことで知られています。栄養士の和漢歩実さんに、栄養や保存方法、食卓に取り入れるコツを伺いました。
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ユズとは 寒さに強い果実
ユズは、ミカン科ミカン属の常緑小高木(じょうりょくしょうこうぼく)で、柑橘類とされる果実です。原産は中国で、日本では奈良時代から栽培されているといわれています。夏に出回る「青ユズ」に対し、寒さに強く、主にこの時期に流通しているのは、黄色く熟してから収穫する「黄ユズ」です。
成長が遅く、実るまでに時間がかかる果実といわれているユズ。冬至の時にユズ湯に入る由来は風邪の予防など諸説ありますが、ユズの成長の特徴から「長年の苦労が実りますように」との願いも込められているとされています。
ユズの栄養素とは 果皮にビタミンCたっぷり
ユズの豊富な栄養素といえば、何といってもビタミンCです。抗酸化作用が期待され、風邪などの予防や美肌効果にも役立つとされています。特にユズの果皮には100グラムあたり160ミリグラムのビタミンCが含まれており、同量の果汁の4倍になります。ユズは果皮も上手にいただきたい果実です。
この他、余分な塩分を体内に排出するカリウム、また皮近くにはペクチンが含まれています。ペクチンは整腸作用をはじめ、コレステロール値を管理して動脈硬化や心筋梗塞などを防ぐ働きが注目されている食物繊維の一種です。
疲労回復やカルシウムの吸収を助けるクエン酸も含まれています。唾液や胃液の分泌を促進する効果も期待されているので、暴飲暴食の時期にはユズの果汁を料理に絞っていただくのも良いでしょう。
食養生の薬膳では、香りが気のめぐりを良くして胃の不快感を和らげたり、痰や咳を鎮めたりする働きが期待されています。熱を冷ます作用があるため、寒い冬にはホットユズ茶などにして飲むと良いでしょう。