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どうぶつ

ドイツの猫も“脱走”する! 現地で飼育する日本人男性の心臓バクバク体験

公開日:  /  更新日:

著者:島崎 英純

開け放った窓の外に高い関心を示すサツキ(左)とココロ(右)。虫除け用の網を張っていましたが…【写真:島崎英純】
開け放った窓の外に高い関心を示すサツキ(左)とココロ(右)。虫除け用の網を張っていましたが…【写真:島崎英純】

 室内飼いの愛猫が窓から外を眺めている光景は、飼い主さんならよく見ることがあると思います。ドイツを拠点にするサッカーライターの島崎英純さんがお迎えした2匹の元保護猫も、外の世界に興味津々。愛猫が外に出たがった時の対策は受け入れ前から考えていましたが、“ある問題”が起きていたようです。

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外が気になる2匹の愛猫にてんやわんや

 甘えん坊で人懐っこい男の子の「心(ココロ)」と、可憐で用心深い女の子の「皐月(サツキ)」との、ドイツでの共生が始まりました。大らかな性格のココロは、同居を始めた当初からソファの上で大の字になって寝てしまうタイプ。一方、サツキは寝室のベッドの下に潜り込むと僕に鋭い視線を浴びせ、警戒心をあらわにしていました。

 ただ、2匹は猫砂を敷いたトイレでしっかりと用を足しますし、家の壁や柱をガリガリして爪をとぐようなこともしません。また鳴き方もおとなしく、新たな住処での生活にちゃんと順応してくれて一安心しました。

 そんな中で、ある問題が発生しました。ココロとサツキを受け入れる前に準備している段階から懸念していたことなのですが、猫たちの“外界への興味”が抑え切れないのです。

 猫たちを譲っていただいた農家の奥様によれば、ココロとサツキは誕生してからずっと家猫として暮らし、外に出したことは一度もないとのことでした。したがって、2匹が野良猫のように外での生活を恋しがることはないはずなのですが、窓の向こうの広大な世界には猫たちが本能的に興味を示す事象がたくさんあるようです。

 その危険性を事前に察知していた僕は、網戸が設置されていないドイツ特有の窓の構造を加味しつつ、簡易な虫除け用ネットを窓枠に貼り付けた上で猫たちを迎え入れました。ただ、この虫除け用ネットは本当に簡素なテープ(片方に粘着部、片方には網が付くようなギザギザの形状をした部位があるもの)で貼り付けているので、か弱い子猫でも爪で駆け上がってブランとぶら下がったりするものならば、簡単にはがれてしまいそうな気配があります。