仕事・人生
和田明日香さんが料理家になった理由 炊飯器と戦う企画が生まれた舞台裏とは
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アイデアと栄養がたっぷりの絶品レシピが人気の和田明日香さん。夫は料理愛好家・平野レミさんの次男であり、料理家、食育インストラクターとして働きながら、3人の子どもたちを育てるママでもあります。昨年も大活躍だった和田さんの素顔に迫るインタビューを3回にわたって短期連載。前編は「キャベツとレタスの違いも分からなかった」彼女が、なぜ料理家になったのか。準レギュラーとして出演中の人気バラエティ番組「家事ヤロウ!!!」(テレビ朝日)の裏話とともにお届けします。
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料理の知識ゼロ レミさんの本を読んで1品ずつ練習を重ねるように
私は結婚するまでほとんど家事をしたことがありませんでした。23歳で結婚後すぐに仕事を辞めて家にいましたし、夫が働きに出ているため、家の中のことは私がやるのが当たり前だと思い、自然と家事をするようになったんです。
だけど、それまで料理に関心がなかったため、キャベツとレタスの違いも分かっていなくて驚かれたり、ゆで卵を作ろうとして電子レンジにかけて爆発させたりしたことも。ネタだったら良かったんですけどね。親が「もうテレビで言わないで」って泣いていました(笑)。両親からは普通に教わっていたと思うのですが、何不自由なく食べさせてもらって、何も考えずに育ってきてしまったんでしょうね。
やれることをコツコツやっていくしかない。そう思い、お義母さんのレシピ本を読みながら1品ずつ作る毎日を続けました。大失敗はしたことないですが、小失敗、中失敗はしょっちゅう。
レシピを読んでいても分からないことだらけで、結婚初期は冗談抜きで1行読んではネットで調べていました。例えば「玉ネギの皮をむく」って書いてあっても、どこまでが皮だか分からない。「繊維に沿って薄切りにする」って言われても、繊維がどれかも分からない、という感じ。
疑問にぶつかる度に調べて、実践して――1品作るだけで、すごく時間がかかってました。
自分に自信をつけたくて、食育インストラクターの資格を取得
6~7年前くらいから、「平野レミさんとお嫁さんの関係が面白いらしいぞ」って言ってくださる方が出てきて、お義母さんの仕事に呼ばれるようになっていきました。
転機は、2015年に「平野レミと明日香の嫁姑ごはん物語」(セブン&アイ出版刊)という本を共著で出させていただいたことですね。対談パートとレシピパートに分かれているのですが、この本のレシピパートはお義母さんのものだけでした。その後、「明日香さんも料理のレシピを提案してください」というオファーも徐々にいただくように。
私なんてその数年前まで、ネットで調べなければ何をすればいいか分からないレベルだったわけで。お金をいただいて人に料理を教えたり、レシピを披露したりするなんて、とてもじゃないけどできないと思い断っていたんです。
でも、お義母さんとの仕事が増える度に、料理のオファーも増えてきたんですね。その頃に夫が「30年近く料理愛好家・平野レミの味見係としてごはんを食べてきている僕が、明日香の作るごはんはおいしいと思っている。だからもっと自信を持ってほしい」って言ってくれて。
それでも、自信を持つには至らなくて「そう言ってくれるのはうれしいけれど、それは家族としての優しさでもありますよね?」って言ったら、「じゃあ、何か資格でも取ったら?」って言われたんです。第三者が認めた資格があれば自信を持てるのではという夫の提案に対し、「確かにその通りだな」と思ったので、食に関する資格を取得しようと思いました。
ただ、子どもが3人いる中で調理学校などに通うというのが現実的に難しかったので、通信教育で取得できるものを……と探し「食育インストラクター」の資格が目に留まったんです。なので、この資格を取得したのは自分に自信をつけたくて、そしてこれまで自分がやっていたことが間違っていないかどうかを確かめる意味の方が強かったように思います。
そういった姿勢だったので、資格を取ったからといって作る料理に大きな変化はありませんでしたが、ニンジンは油と一緒に食べた方が栄養の吸収率が高くなるなど、この時に学んだ知識は今でも役立っていますね。