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「一富士、二鷹、三茄子」だけじゃない 初夢で縁起が良い、悪いの違いとは?

公開日:  /  更新日:

著者:鶴丸 和子

縁起の良い夢とは 「一富士、二鷹、三茄子」以外にも

幸せをもたらす神様、七福神(写真はイメージ)【写真:写真AC】
幸せをもたらす神様、七福神(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 古くから「一富士、二鷹、三茄子」や「七福神」が夢に出てくると縁起が良いことで知られています。

○一富士、二鷹、三茄子
 江戸時代、徳川家康にあやかって領地の駿河国(現在の静岡)にちなんだ縁起物という説があります。末広がりで美しい富士山、空高く自由に舞うタカ、無駄花がなく実がたくさんなるナス。無事(不死)、高い可能性、事を成すなどの意味が込められているとか。

○宝船に乗った七福神
 七福神とは、一般的に「夷(えびす)、大黒(だいこく)、毘沙門天(びしゃもんてん)、弁財天(べんざいてん)、福禄寿(ふくろくじゅ)、寿老人(じゅろうじん)、布袋(ほてい)」を指し、幸福をもたらす神様として知られています。吉夢を見るために、宝船に乗った七福神の絵を枕の下に敷いて眠る風習もあります。

 伝承では、ヘビやウサギ、カメなどが出てくる夢も吉夢とされています。

縁起が悪い夢とは 見た場合の対処方法も

幸先の良い一年に(写真はイメージ)【写真:写真AC】
幸先の良い一年に(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 縁起が悪い夢としては、歯が抜けたり、何かに追われたりする夢などが知られていますが、決定付ける科学的な根拠は特にありません。とはいえ、頭から離れないほどの悪夢を見た際は、古くからの対処方法で切り替えてみてはいかがでしょうか。

 悪夢を見たら「夢とは逆のことが起こる」と笑い飛ばして「逆夢」としたそうです。また「昨晩の夢は獏(バク)にあげます」と3回唱える風習もあります。バクとは人の夢を食べて生きる架空の動物です。二度と見ないように言葉を唱えて悪夢を食べてもらいます。

 新しい年にどんな初夢を見るか、楽しみにしたいですね。

【参考】
「季節と行事の日本のしきたり事典ミニ」(マイナビ文庫)
「日本の365日を愛おしむ ―季節を感じる暮らしの暦―」(飛鳥新社)
「絵でつづるやさしい歳時記」(日本文芸社)

(鶴丸 和子)

鶴丸 和子(つるまる・かずこ)

和文化・暦研究家。留学先の英国で、社会言語・文化学を学んだのをきっかけに“逆輸入”で日本文化の豊かさを再認識。習わしや食事、季節に寄り添う心、言葉の奥ゆかしさなど和の文化に詰まった古の知恵を、今の暮らしに取り入れる秘訣を発信。
インスタグラム:tsurumarukazu