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2023年も要注目の三浦透子 新作『とべない風船』で“車を運転しない”理由とは

公開日:  /  更新日:

著者:関口 裕子

(c)buzzCrow Inc.
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 昨年の日本映画界で一番の注目作といえば、日本映画として13年ぶりに米アカデミー賞国際長編映画賞を受賞した『ドライブ・マイ・カー』。この作品で重要な役を演じた三浦透子さんも、日本はもちろん世界から注目されました。この他にもNHKの朝ドラや大河ドラマなどで大活躍を見せ、今年も快進撃が期待されている三浦さん。まずはヒロインを演じる『とべない風船』が新年早々に公開されます。名優・小林薫さんの娘役という時点で期待大の本作において、その存在感はかなりの魅力を放っているそうです。映画ジャーナリストの関口裕子さんに解説していただきました。

 ◇ ◇ ◇

2022年は大活躍 世界の評価を得た女性ドライバー役も

 1月8日(日)から始まるドラマ「ブラッシュアップライフ」(日本テレビ)を楽しみにしている方は多いと思う。私もその一人。この布陣を見ればその理由が分かろうというもの。安藤サクラ、夏帆、木南晴夏、松坂桃李、染谷将太、黒木華、臼田あさ美、志田未来……演技力に定評のある俳優ばかりだ。もう一人忘れてはならないのは三浦透子。

 2022年は三浦が大活躍した年だった。NHK連続テレビ小説(朝ドラ)「カムカムエヴリバディ」のヒロイン・ひなたの親友・一恵から始まり、NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」ではプライドが高く嫉妬深い義経の正妻・里を。長澤まさみ主演の「エルピス-希望、あるいは災い-」(関西テレビ制作・フジテレビ系)では、ドラマのモチーフとなる冤罪事件報道のきっかけを作るヘアメイクのチェリーさんこと大山さくらを演じた。

 映画では、大ヒットした『余命10年』でヒロイン・茉莉の友人サオリ役、そして現在公開中の主演作『そばかす』では、恋愛感情や性欲を感じない蘇畑(そばた)佳純役を好演した。

 一番大きな話題となったのが、日本時間3月28日に発表された第94回米アカデミー賞だ。三浦がタイトルロールのドライバーを演じた、濱口竜介監督『ドライブ・マイ・カー』が国際長編映画賞を受賞した。

 受賞スピーチで濱口監督は、授賞式に参加できなかった三浦に向け、「特に赤いSAAB900を見事に運転してくれた三浦透子さんに感謝します」と壇上から呼びかけた。そんな風にコメントしたくなるくらい彼女の演じた渡利みさき役は映画の求心力だったのだ。海外のメディアも三浦を「ブレイクしたスター」と報じた。

待望の新作は平成30年7月豪雨がモチーフ

 そんな三浦が2023年のスタートを飾る新作は、ヒロイン・小島凛子を演じる『とべない風船』だ。広島を拠点にする映像演出家の宮川博至監督が、2018年7月の豪雨(平成30年7月豪雨)にモチーフをした作品。豪雨災害で妻子を亡くした漁師の憲二(東出昌大)と、仕事で挫折を味わい父親の住む島を訪れた凛子(三浦)が出会い、そこでの日々を過ごすうちにそれぞれが再生していく物語となる。

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 教師だった父親・繁三(小林薫)同様、教師になった凛子。だが理不尽に保護者の理解を得ることができない出来事があり、教職を諦め、派遣社員としてコールセンターで働き始めるも契約が切れ、行き場を失っていた。

 凛子は瀬戸内海の島に住む父の繁三を訪ねる。繁三は定年後、凛子の今は亡き母さわ(原日出子)とともに、この島に移り住んでいた。両親の家とはいえ、たぶん初めて訪ねた家。凛子は「お邪魔します」と言ってその家に上がる。また主に食事の支度をするのは父の繁三。手伝わない凛子のスタンスは“お客様”だということが分かる。

 観ていて実感するのは、あんなに近くで生きてきながら実は、子は親のことをよく知らないということ。当たり前だが、多くの子は親が成人してから生まれる。だからそれ以前のこと……子どもの頃の親がどんなものに好奇心を抱き、どんな生活をし、どのような過程を経て大人になっていったのかに思いが至らないのだ。近すぎて親にも波乱万丈の人生があることに気づかないというか。

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