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干し芋と焼き芋の中間のような味わい 農家が教える「自家製“半生”干し芋」レシピ

公開日:  /  更新日:

著者:こばやし なつみ

直径20センチ、深さ13センチの深型鍋に簡易蒸し器を入れてサツマイモを蒸す【写真:こばやしなつみ】
直径20センチ、深さ13センチの深型鍋に簡易蒸し器を入れてサツマイモを蒸す【写真:こばやしなつみ】

 今がおいしい季節の「干し芋」。何と自宅で簡単に作ることができます。干し芋生産量が日本一の茨城県で兼業農家を営み、少量多品種の米や野菜作りに取り組むこばやしなつみさんが干し芋作りをレクチャー。後編の今回は、干し芋の作り方や、余った皮を使ったおいしい活用法です。

 ◇ ◇ ◇

“半生”干し芋の作り方 干し時間は気象条件に合わせて

 我が家で作る“半生”干し芋とは、天日干しするのは丸3日間程度で完全には乾燥させていない状態の干し芋のことです。表面は乾きつつも中身はやや水分を残しており、干し芋と焼き芋の中間のようなややねっとりしたソフトな食感です。

 前回は、干し芋に向いているサツマイモとして蒸しやすい小ぶりなものがおすすめとお伝えしました。我が家の場合、干し芋にしている品種は「紅はるか」です。それではいよいよ今回は、作り方を詳しく説明します。

【材料】(目安)
サツマイモ 4本
水     1リットル
塩     大さじ1

【用意するもの】
・蒸し器(もしくは鍋と鍋のサイズにあった折りたたみ式などの簡易蒸し器)
・まな板
・包丁
・厚手の調理用手袋
・干し網

【作り方】
1. 蒸し器を用意してサツマイモをのせる
 鍋に水と塩を入れて軽く混ぜたら、鍋内の蒸し器の上にサツマイモをのせる。

2. 中火で1時間弱蒸す
 鍋に火にかけて沸騰したら、中火で1時間弱蒸す(蒸し時間はサツマイモの様子を見ながら微調整)。竹串がスーッとスムーズに刺せるくらいまで、やややわらかめに蒸し上げるのがポイント。

表面に皮の色素が残らないよう厚めにむく【写真:こばやしなつみ】
表面に皮の色素が残らないよう厚めにむく【写真:こばやしなつみ】

3. 蒸し上がったサツマイモの皮をむく
 熱いうちにまな板の上でクルクルと回しながら皮を厚めにむく。蒸し上がりのサツマイモは非常に熱い上にやわらかいため、火傷防止に手袋をした上で作業をすると作業効率が良い。

サツマイモ4本から作った干し芋、残った皮、ヘタを並べたところ【写真:こばやしなつみ】
サツマイモ4本から作った干し芋、残った皮、ヘタを並べたところ【写真:こばやしなつみ】

4. 皮をむいたサツマイモをカットする
 好きなサイズや形にカットする。蒸し上がったサツマイモはもろいので、慎重に。

5. 干し網に並べて天日干しする
 サツマイモ同士がくっつかないようにして干し網に並べ、丸3日間~1週間ほど天日干しする。夜は夜露を避けるため、屋内に取り込む。干し時間は気象条件にもよるため、最低でも乾燥した晴れた日に合計丸3日間干した方が良い。

サツマイモ4本分の干し芋すべてを干し網に並べたところ【写真:こばやしなつみ】
サツマイモ4本分の干し芋すべてを干し網に並べたところ【写真:こばやしなつみ】

 私が取り込む目安は、丸3日経ってから干し網に表面がくっつかなくなったら。お好みで長めに干し、しっかり乾燥させても◎。

乾燥した晴れの日に丸3日干した状態の干し芋【写真:こばやしなつみ】
乾燥した晴れの日に丸3日干した状態の干し芋【写真:こばやしなつみ】

 スティックやミニサイズは表面しっかり乾いているが、丸干しは表面が乾き切っていないのでもう4~5日間干し続ける。

保存袋にまとめて冷蔵または冷凍保存しておくと便利【写真:こばやしなつみ】
保存袋にまとめて冷蔵または冷凍保存しておくと便利【写真:こばやしなつみ】

6. 保存袋に入れて冷蔵庫で保存する
 保存袋に入れて冷蔵庫へ。1週間ほど保存可能。それ以上になる場合は冷凍を。食べる度に自然解凍もしくはトースターで2~3分温めると、おいしく食べることができる。