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自給自足生活への関心が高まる米国 「命をいただく」暮らしで感じた“生きる本質”とは

公開日:  /  更新日:

著者:小田島 勢子

野菜の収穫や七面鳥をさばくことで感じた“生きる本質”

自ら絞めて家族でいただいた七面鳥の羽と骨をドリームキャッチャーに【写真:小田島勢子】
自ら絞めて家族でいただいた七面鳥の羽と骨をドリームキャッチャーに【写真:小田島勢子】

 この家に住み、鶏を飼い、みそやしょうゆ、みりんなどの調味料をはじめ漬け物やお茶など、ほとんどのものを手作りしている私自身のライフスタイルは十数年前から変わりません。しかしこの数年、その暮らしは「ゆとり」や「丁寧に」という余裕や特別な感覚ではなく、もっと「本質的に」「生きる上で必要として」物を作ったり物事を考えたりするようになりました。

 家で育て始めた野菜の成長や収穫を通して、喜び、そして農家さんたちへの敬意と感謝を学ぶ。そうした思いから、昨年は親子で鶏を絞めてさばく経験をし、ホリデーには七面鳥をこの手で絞め、本当の意味での感謝祭を家族で初めて迎えることができました(すべて私のエゴからくるものなので、皆さんにはとても極端に聞こえるかもしれません。気分を悪くさせてしまったらすみません)。

 住む場所はロサンゼルスという都会の小さな家ですが、今自分が生活する環境の中、そして人とのつながりの中で、できる範囲の自分らしい「ホームステディング」と「プレッピング」をこれからも少しずつ学び、育んでいきたいと思っています。

(小田島 勢子)

小田島 勢子(おだしま・せいこ)

ナチュラリスト。結婚を機に2004年に南カリフォルニア州へ移住し、3人の女の子を米国で出産。ロサンゼルスの片田舎でバックヤードに鶏たちと豚のスイ、犬のトウフとともに自然に囲まれた生活を送る。母になったことをきっかけに食や環境の大切さを改めて感じ、できることからコツコツと、手作り調味料や発酵食品、スーパーフードやリビングフードを取り入れた食生活をメインに、食べるものは「できるだけ子どもと一緒に作る」「残さない」がモットー。2015年に「RUSTIC」を設立。日本で取得した調理師の知識や経験を生かして食のアドバイザー、ライフスタイルのコーディネーターとして活動。日米プロスポーツ選手やアクション映画俳優の身体作りのアドバイザー、みそ、お酢、漬け物など発酵食品作りの講師、創作料理のケータリングなど幅広い分野で活躍。
https://rusticfarmla.com/