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タワマンの隣室がヤミ民泊に…宿泊客の迷惑行為にうんざり 「禁止」決まる前の悲劇
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教えてくれた人:姉帯 裕樹
日本では15年ほど前から増えた「民泊」。やや遅れて規制緩和や法整備が進み、2018年には住宅宿泊事業法(民泊新法)が施行されました。しかし、住宅宿泊事業者としての届出などを行わない違法民泊(ヤミ民泊)は後を絶たず、多くのトラブルが発生しています。もちろんタワマンも例外ではないよう。東京・中目黒で「コレカライフ不動産」を営む不動産のプロ、姉帯裕樹さんのアドバイスとともにお届けします。
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隣室から連日の大騒音 玄関前にはゴミが放置され…
「思い出すだけで嫌悪感が込み上げてきます。あれほど最悪なお正月は、後にも先にも経験したことがありません」
憤りを隠せないままに話を聞かせてくれたのは、都内某所のタワーマンションを中古で購入し、かれこれ8年にわたり住み続けている川崎瑠衣さん(仮名・56歳)。中層階にあり眺望が開けた1LDKの部屋は、ご両親から生前贈与を兼ねて贈られたものでした。一人暮らしの瑠衣さんにとっては快適な“城”です。
平穏な生活に異変が訪れたのは、コロナ禍が始まる少し前の年末のこと。隣の部屋から大声で叫ぶ声や大音量の音楽、ゴツゴツガンガンと壁に何かをぶつけるような音が夕刻から響き始め、そのまま明け方まで続いたのです。
「あまりにうるさいので、途中、管理人に連絡をして注意してもらったんです。でも、まったく静かになることなく騒ぎ続けていました。こんなことは初めてだったので、隣の人は一体どうしちゃったんだろうって不安を抱えていたんです」
騒音はお正月明けの7日頃まで続きました。何度も何度も管理人に苦情を伝えましたが、騒音は収まらず。さらに最悪なことに、隣室の前には部屋から出たと思われるゴミがうず高く積み上げられていったのです。
「ゴミの中には、キャスター部分が壊れたのであろう巨大なトランクもありました。管理人が調べてくれたところによると、どうやら隣室が勝手に民泊を運営し、外国人に部屋を貸し出していたようです。宿泊していた外国人観光客が、酔っぱらって大いに騒いでいたらしいと……」
その部屋のオーナーに連絡を取ろうとしても電話はつながらず。結果、連絡が取れるまでゴミはそのまま放置されることになってしまいました。放置されたゴミの臭いはひどく、廊下の絨毯にお酒やソースの汚れが染み出していて、うんざりしてしまったという瑠衣さん。
「あの年は、本当に最低最悪なお正月になってしまいました。ここ数年はコロナ禍もあって本当に静かなお正月を過ごしており、この平穏が続いてくれたら……そう思っています」