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「やっぱり子どもが欲しい」 結婚後に言い始めた夫 子を望まない妻の苦悩

公開日:  /  更新日:

著者:和栗 恵

教えてくれた人:夫婦カウンセラー・原嶋 めぐみ

結婚生活の理想と現実のギャップが原因も

 花代さんの悩みを受け、夫婦カウンセラーの原嶋めぐみさんに伺いました。

――今回のように、夫婦どちらかの考えが結婚前と変わり離婚に至るケースは多いのでしょうか?

「若年や結婚して5年経たない夫婦が離婚に至る原因の一つに『理想の結婚と現実の結婚生活のギャップ』が挙げられます。今回の場合、ギャップを感じたのは夫の側でしょう。結婚をすればどんなこともうまくいく、自分の思い通りになる、そう考えている男女は実は多いもの。そうした理想の結婚と、現実の結婚生活とが大きく乖離していることが原因となり、離婚を選択する夫婦が増えているんです。

 花代さんの思いを尊重しようとDINKSでも良いと考えて結婚したけれど、心のどこかでお子さんを希望していた可能性があります。また、甘い新婚生活を夢見ていたものの、妻の忙しさは変わらないわけです。夫自身が40代半ばと人生を半分終える年齢になったこともあり、理想とのギャップを感じ焦り出した可能性が考えられます」

――では、花代さんにとって離婚することが解決策になるのでしょうか?

「パートタイムに仕事を切り替えてしまっている点を考えると、今すぐ離婚するのは時期尚早のように思います。まずは生活基盤を作るために正社員の職を探し、離婚後、家族と共倒れになることのない収入を手に入れた方がいいでしょう。ただし、どうしても夫の存在がストレスになるというのであれば、しばらくの間別居をしてみるのも一つの手。その間に夫に家事を任せ、家事をするにも手間暇がかかることを理解してもらうと良いかもしれません。まずは夫と話し合いの場をしっかりと持ち、現状を再度理解してもらうよう努めてみましょう。

 また、花代さん自身も再度、ご自身のこれからについて考えてみることが大切です。大変な状況にあると思いますが、本当にDINKSのままでいいのか、両親や姉の面倒を見るだけの人生でいいのか、自分自身が本当にやりたいことを改め考えてみることをおすすめします。

 花代さんが子どもだった頃と違い、自治体などでさまざまな支援が用意されています。そうした支援をご家族に受けてもらうことで、花代さんはご自身の道を生きることができるようになるかもしれません。親のため・姉のために過ごすことが当たり前になっているかもしれませんが、それは夫との結婚生活や子どものいる生活を諦める理由にはなりませんから」

(和栗 恵)