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毎朝タワマンのエントランス前で待つ高齢男性 怯える30代女性へ不動産のプロがアドバイス

公開日:  /  更新日:

著者:和栗 恵

教えてくれた人:姉帯 裕樹

悩む前に「管理人に相談」が解決への近道

 この相談を受けて、中目黒・コレカライフ不動産の姉帯裕樹さんは、至急管理人に相談することを推奨。

「泣き寝入りする必要はありませんが、ゆかりさんご自身が声をかけたり、注意したりしても『たまたま』だと言われてしまったら反論できません。しかも、そのことがきっかけで、嫌がらせやお子さんたちが危険な目に遭うのも怖いと思うので、まずは管理人に相談するのが一番です。また、ゆかりさんはその男性を『同じマンションに住む人』だと思っていますが、まったく関係のない人だったら大問題です。すぐに管理人に相談し、しばらくの間でいいので、幼稚園から戻ってくる時間帯にエントランス付近にいてもらうようにするといいと思います」

 姉帯さんは次の可能性を指摘します。

「管理人の目を気にして、自分のカードキーを使って部屋に戻るようであれば、ゆかりさんに会いたいがためにそうした行動に出ている可能性も考えられます。

 もしエントランスにすら現れないようであれば、空き巣など犯罪の下見で訪れている可能性があります。防犯カメラの画像を確認して顔が分かるようなシーンを印刷してもらい、その場合は管理人とともに警察に相談するといいでしょう」

管理人に相談した結果、高齢男性は…

 姉帯さんからのアドバイスをお伝えしたところ、ゆかりさんはさっそく管理人に相談。男性は同じタワマンの住人でした。さらに軽度の認知症を発症していることが判明。カードキーを持たずに外出してしまっていることが分かりました。

 現在も毎朝ゆかりさんが帰ってくるのを待っているそうですが、原因が分かったことで「ある意味、ほっとしました。これからもこういった状況は起こり得るかと。地域やコミュニティでサポートしていく必要があるのかなと感じました」といいます。

 姉帯さんによると、「マンションの戸数が多く、住人の数が多いということは、高齢化が進んだ際に想像外の問題も起きやすくなる」とのこと。何かあった際は1人で解決しようとせず、管理人さんに相談しましょう。

(和栗 恵)

姉帯 裕樹(あねたい・ひろき)

「株式会社ジュネクス」代表取締役。宅地建物取引士の資格を持ち、不動産取り扱い経験は20年以上を数える。独立した現在は目黒区中目黒で不動産の賃貸、売買、管理を扱う「コレカライフ不動産」として営業中。趣味はおいしいラーメンの食べ歩き。