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「キッズルーム不要」 タワマン住民からの訴えに悩むママ 決議で「廃止」の可能性も
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教えてくれた人:姉帯 裕樹
シャンデリアが下がるエントランスに、ホテルライクなゲストルーム、パーティールームにシアタールーム、フィットネスジムやプール――タワーマンションといえばこうした共用施設が付きもので、資産価値を高めるひとつと考えられています。しかし、実際に住んでみると使わない設備が多く、そうした設備のために高い管理費を強いられていることに納得がいかないと感じる住人も増えているのだとか。今回ご紹介するのは、共用施設のひとつであるキッズルームをめぐって、他の住人から冷たい目線を向けられた女性の悩みについて。東京・中目黒で「コレカライフ不動産」を営む不動産のプロ、姉帯裕樹さんのアドバイスとともにお届けします。
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タワマンにも子育て世代とのギャップが存在する
未就学児童2人を育てる田中真利亜さん(仮名・33歳)は、第1子妊娠中に現在お住まいの中古タワマンの購入を決めました。
購入のきっかけになったのは、広く清潔なキッズルームがあり、目が届く中で安心して遊ばせることができること。雨の日でも子どもを十分に遊ばせることができ、子育て世代のママが集うことで、ママ友作りができるのでは? という思いがありました。
「たまたま私の幼なじみがそのタワマンに住んでいて、『キッズルームが便利だよ~』って話を聞いていたんです。それで、少し予算はオーバーするものの、夫にねだりまくって今の部屋を買ってもらいました」
こうしてほぼ毎日のようにキッズルームに通って子どもたちを遊ばせ、顔なじみのママとお茶を飲みながらおしゃべりする生活を続けてきた真利亜さん。しかし、ここに来て不安を抱えることになりました。
「高齢者世帯や若年世帯の方が、『子どもの数が少ないのに、キッズルームに場所を取りすぎていてもったいない。キッズルームを廃止し、ニーズが高いパーティールームを増やすべきだ』って言い出したんです」
真利亜さんの知る限りでは、確かに子どもの数は少なく、キッズルームを使用しているのは真利亜さんを含め10世帯程度だそう。数百もの世帯が入るタワマンの規模から考えると確かに利用者数は少なく、「もったいない」と考える人もいるでしょう。しかし、そもそもキッズルームがあるから購入を決めた真利亜さんにしてみれば、納得できるものではありません。
「最近では、キッズルームの廃止を希望する方たちからの視線が冷たい気がして、ストレスを感じています。こういう問題って……どうにもならないものなのでしょうか」